しばらくやめていても再飲酒すると目も当てられない状態になる

この記事は「しばらくやめていても再飲酒すると目も当てられない状態になる」です

結論は「原点に戻る。「無力」であることを認める」です

しばらく断酒できていたのに再び飲酒してしまうショックですよね。

本人だけでなく家族もショックです。

私もスリップばかりしていました

昔は断酒10年・20年・30年と聞くと専門病院の入院患者とは違って、安全圏の人たちと思っていました。

お酒をやめられなかったころは、1年の断酒なんて夢のようにも見えていました

やがてそういった人たちが失敗する姿を見るにつけて、アルコールに依存することの怖さ、依存症治療の難しさを思い知ることになりました。

私の感想ですが、結局は初心を忘れてしまった

基本中の基本である「酒に対して無力であり、上手く生きていけない」ことの認識が甘くなったのが原因のような気がします

そういった意味では、飲んだり止めたりの方、継続ができない方、断酒を始めたばかりの方とも同じです。

躓くところは大体同じようです

酒に対して無力であり、上手く生きていけない」というのは依存症のあらゆる方に当てはまります

今回は「無力であること」の私なりの考え体験を踏まえて書きました。

私自身「無力であること」は他の同じ病気の仲間の体験談を聞いて得るものがたくさんありました。

私の知っている限りの先輩たちの言葉(断酒が長い人から初心者まで)自分の言葉でまとめました

再飲酒の怖さを知った時

私が断酒を始めたころ、病院の院内例会で断酒10年の表彰を受けていた人がいました。

当時の私には「10年もやめている=断酒が保証された人」というイメージがありました

それから1年して、その人がスリップをしたという噂を聞きました。

しばらくして奥さんの体験談から噂ではなく、本当のことだということが分かりました。

奥さんは飲んできた日の様子でわかったそうです

しかし本人は認めない

やがて飲んでいるところを奥さんに目撃されます。

お酒の瓶を持っているのに認めない

やがて飲んだことは認めたが「自助グループでは絶対に言うな」の一点張り

奥さんはアルコール専門病院と自助グループに応援を求めました

最初は抵抗しましたが、あっという間に連続飲酒になってしまい、本人も観念しました。

結局断酒表彰を受けた病院へ入院することになりました。

奥さんは当時家族会の運営を任されていました。

私は今思い返しても、奥さんは正しい判断をしたと思います

私が長くやめた人が再飲酒することの怖さを初めて知った経験です。

連続飲酒の説明はこちらから。

連続飲酒は典型的なアルコール依存症の症状
この記事は「連続飲酒は典型的なアルコール依存症の症状」です「連続飲酒」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか?24時間アルコールを手放せなくなる状態です。簡単に言えばずーっと二日酔い、もしくは酔っぱらっています...

すぐに過去最悪の状態に戻る

以降何人かそういった人を見てきました。

しばらく断酒をしていても、再飲酒すると「過去最悪の状態」に逆戻りします。しかもあっという間!!

人によっては、普通に飲酒できているように見える時期もあるそうです。

しかし結局は一時的なもので、数ヶ月もしないうちに元の最悪の状態に戻るようです

私は「10年もやめたのだから、すぐに元気になるでしょう?」と尋ねました。

しかし「長く断酒すればするほど、失敗したら危ないんだよ」そう教えてもらいました。

やがてその言葉通りなのは、近くで見ていてもよくわかりました

長い断酒の後で過去最悪の状態になります

前回の断酒のきっかけとなった「底つき」よりも、もっと「深い底をつかなければ」上がることができないようです

アルコール依存症は「進行性で死に至る病」と言われます。本当にこの言葉通りです

たとえ数年間酒を全く飲まなかったとしても、また飲み始めるとたちまちもとの飲み方に戻ってしまうのが依存症の怖いところです。つまり長年かけて作り出された依存症の脳の回路が、しばらく酒を止めたことで消えてなくなるわけではないのです。

厚生労働省eヘルスネットより引用

アルコール依存症への対応
アルコール依存症から回復するための唯一の方法は、断酒=一滴も飲まないことです。飲酒問題を認めない「否認」を克服することが回復への第一歩です。自分で飲酒問題に気付くため、家族があまり手助けしすぎない方が良いこともあります。専門医療期間への受診や自助グループへの参加が回復を助けます。

長く断酒していても依存症回路は残り続ける仕組みについてはこちら。

依存症になっていく脳とドーパミンのメカニズム
この記事では脳の報酬系や悪循環の仕組み・一度依存症になるとなぜ元通りにならないのか?についてまとめました.こういった知識があると理性の力だけで依存をコントロールできないと納得しやすくなります。無駄な抵抗はやめようと思えるのでその意味ではお勧めの内容です

底つきについてはこちら

断酒に底つきは必要
このページは「断酒に底つきは必要」です 目次 底つき底つきとは何か? 早く体験するには? についてのヒントです私自身の直接の底つき体験です私が底つきをするまでの体験談です断酒継続は無力から始まります...

身体に気をつけたい

その後病院でばったり出会ったのですが、別人のように衰弱して、一気に老けていました

長く断酒を続けていると言っても、それまでの飲酒期間は長い人が大半です。

すでに身体に大きなダメージを負っています。断酒中に古傷が再発する人も数多くいます

断酒後のケアを怠って「もうお酒を飲まないから大丈夫」と思い、食べ過ぎたり、刺激物を摂り過ぎている人は結構います

現在治療中の病気のある人はなおさらです。

再発や悪化を起こすため「今度こそ死が迎えに来る」可能性が高くなります

脳のダメージについてはこちら。

断酒 脳
このページは「アルコールでダメージを受けた脳の回復は断酒から」です アルコールは脳にダメージを与えます アルコールを飲み続けると脳萎縮が進みます。お酒は飲めば飲むほど脳萎縮・認知症のリスクが高くなります...

肝臓の深刻なダメージについてはこちら

断酒 肝臓
このページは「断酒すると肝臓は回復する」です 断酒をすると効果を感じられるのは肝臓の数値です。 アルコールが原因で起こった肝機能障害は断酒をすれば基本的には回復します。 お酒の飲みすぎと言えば何と言っても肝臓です ...

心はもっとひどくなる

心の状態は最悪だった時に戻るか、それよりもっと悪くなります

スリップしたということですっかり自信を無くします

今まで「自分は○○だから断酒できた」と思っていたものが否定されることになります。どうしていいかわからなくなりますね

これは断酒歴が長くなるほど顕著です。せっかく穏やかになっていたのに、前よりひどくなっちゃった

スリップした時に起こりがちな心境です

自己憐憫が依存症と家族の生きづらさの最大の原因
自己憐憫(自分を可哀想だと思う、自分を憐れだと思う)は依存症回復の重要ワードです。自己憐憫がどういうもので、どこが依存症に悪さをするのか。謙虚さと卑屈の違いを書きました。知ることと、認めることで生きづらさを解消するヒントになります。

再飲酒を防ぐために

多くの場合、再飲酒は突然に起こるものではなくシグナルが表れます

アルコール依存症の特徴として際立ったものです。

これは他人の失敗だからこそ分かるものですが…

自惚れ始めた

アルコールに対して無力であることを認めなくなったときです。

私も経験がありますが、断酒2~3年後くらいに「俺はもう大丈夫」「酒のやめ方なら教えてやるよ」そんな考えが頭をよぎることがありました

自分の断酒は大丈夫と思う頃が危険だね

自己憐憫に陥っている

何かにつまずいた時、原因を探らずに結果がでないことばかりにこだわる。自分を悲劇のヒーローにする

  • 自分は頑張っているのに、うまく行かない
  • どうせ私は…だから
  • 私がうまく行かないのは運命で決まっている

自己中心・他人を責める・他人や環境のせいにする

人を認めたり、感謝することを忘れて、自分への称賛を当然と思うとき

  • そんな体験談してるからやめられないんだ
  • うちのミーティング(例会)は俺のおかげで人気がある(またはあいつのせいで人が来ない)
  • 俺は○○年やめたから認められて当然

完全にゼロにするのは不可能ですが、これらが目立って強くなってしまうのは危険です

原因が自分にあることを認めるのは断酒継続のカギです。

断酒を継続させるには原因自分論
断酒にスリップはつきものですが、これはアルコールが脳の病気だから当たり前に起こる症状の一つです。断酒を継続させながら原因が自分にあると認める習慣スリップのリスクを減らす方法。その回復過程で気をつけたい対策ポイントの「自分を責める」「結果主義」について書きました。

一番大切なのは?

私が再飲酒しないために大切だと思うのは「アルコールに対して無力」であることを認め続けることだと思います

まずこれを認めないとその先の断酒・回復は望めません詳しくはこちら。

断酒継続は無力であることを認めることから
依存症者が苦しみから逃れる第一歩「無力であることを認める」ことを、私の体験を中心に書きました。依存症が回復へと進むには、自分が悪い習慣に対して無力であること。思い通りに生きていけなくなったことを認めることが第一歩です。

私たちは、本質的に「無力な自分は嫌い」です

  • 人は成長する時に喜びを感じます
  • 努力は尊いですし、自助努力の精神は大切です
  • 人は動物としての生命力があるので、根本的には力を持ち、強くなりたいです

しかし人間一人の力は本当は弱い。私たちは意志や理性の力では自分の飲酒をコントロールできない依存症です

そこに謙虚さと感謝が生まれます

大いなる存在を自覚し、仲間と共感できるようになります。詳しくはこちら。

自助グループ
このページは「アルコール依存症の自助グループ」です 目次 自助グループ自助グループのメリットとデメリットについてまとめましたAAに興味を持った方へ私の体験を書きました。断酒会での体験です自助グループの...

参考記事

断酒 スリップ
スリップの原因を明らかにし、防止に役立つものを集めました。自分の実体験(苦闘の8年間と断酒の9年半)や数多くの仲間の姿をもとにして書いています。
断酒 効果
このページは「断酒の効果」です 断酒の効果、メリットが「いつから?」━「1週間」「1年」などの「期間」から。 「肝臓」「血圧」「脳」など症状から。 「ダイエット」「肌」「むくみ」など具体的に私や断酒仲間たちの体験をもとにまとめ...
断酒 方法
誰にでも同じような効果のある断酒法は存在しないと思っています。しかし最大公約数的に考えて似たようなポイントで成功したり失敗したりしています。できるだけ具体的にいろいろな記事で書いています。
断酒
お酒をやめられなくて苦しんでいる最中ではまず「断酒」ですよね。 私も「断酒」という結果を求めてきました。 目次 断酒断酒の効果断酒の方法お酒を飲むと嫌われます断酒と禁酒の違いですスリップ防止断酒に底つきは必要です否認...


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