断酒後の不眠対策を怠ると再飲酒しやすくなる

この記事は「断酒後の不眠対策を怠ると再飲酒しやすくなる」です

せっかく断酒しているのに眠れないとしたらつらいですよね。
断酒後の不眠は「寝つきの悪さ」多いという研究報告があります。

しかも断酒後の不眠は再飲酒の原因になるという内容です

対策として「睡眠の質を上げる」「眠る前のリラックスできる日課づくり」「睡眠のリズムを守る」「カフェイン・タバコなどに気を付ける」を挙げています。

断酒後の不眠が再飲酒につながる研究

薬物乱用および精神保健サービス局(SAMHSA)によると、アルコール使用障害のある人の25%から72%が睡眠障害を報告しています

Reported rates of sleep problems among people with AUD in treatment range from 25 to 72 percent.Treating Sleep Problems of People in Recovery From Substance Use Disordersより引用

Treating Sleep Problems of People in Recovery From Substance Use Disorders

Comprehensive Assessment of Insomnia in Recovering Alcoholics Using Daily Sleep Diaries and Ambulatory Monitoring
Background: Many alcoholics continue to experience disrupted sleep after quitting drinking. Previous studies with recovering alcoholics have relied on retrospe...

上記の研究によると次のことが明らかになったそうです。

  • 睡眠の問題は、飲酒をやめてから何ヶ月も続くことがある。
  • 通常、アルコール依存症の回復には、睡眠の維持よりも睡眠の開始(入眠)のほうが問題が多い。
  • 回復中のアルコール依存症患者の多くは、アルコール依存症になるより前に睡眠障害を抱えていた。

断酒を始めると最初は離脱症状で眠れない

断酒を始めると程度の差はあっても離脱症状があり、そのなかに不眠があります。

私も離脱症状が続く1週間(人によってはもう少し長い)くらいは不眠になることがよくありました

研究によると「離脱症状が止まった後も睡眠障害が長く続く」

離脱後2~6ヶ月に発生し続ける可能性がある

十分な質の高い睡眠が取れない場合、回復と断酒はより困難になると指摘しています

断酒後の不眠は人によって違います。

私は離脱後2~6ヶ月というのは大雑把に言って納得できました。

そして不眠が断酒継続・回復を妨げるというのも肌感覚としては理解できます。

以下の記事で断酒1種間で起こる睡眠の変化について書きました。

断酒一週間で起こることさらに継続するために知っておきたいヒント
断酒・禁酒には動機が大切。アルコールを抜いて最初の1週間までの効果・体調や気持ち、特に肝臓(γ-GTP)・血圧・体重などの変化。それぞれの場面での失敗しやすいポイントをまとめました。さらに継続していくためのヒントを最後に書きました。

離脱症状についてはこちら

離脱症状があればアルコール依存症
この記事は「離脱症状があればアルコール依存症」です。結論は「寝汗」「手の震え」「不安感やイライラ」「不眠」「幻覚・幻聴」「意識障害」などの症状があれば、アルコール専門病院で診察を受けましょう。

研究に関連した記事です

Alcohol Withdrawal and Relapse
Withdrawal symptoms can range from mild, moderate, to life-threatening. Learn how you or a loved one can get by and avoid relapse - to finally quit for good.

断酒後の不眠は再飲酒の原因になる

研究によると、1年以上の飲酒経験のある人は深い睡眠が減少し、レム睡眠の異常があると言っています

また断酒後の回復で睡眠は一番最後になり、不眠は再飲酒の潜在的原因だと主張しています

研究では再飲酒の危険な原因と考えられるHaltの法則の「疲れ」の一つに「睡眠障害」があると言っています

ここで述べられている回復は体のほうに焦点が当たっています。

スリップの原因は一つだけというよりはいくつかの原因で起こります。

私はこのブログではスリップはストレスが強いと起こりやすいと書くことが多いのですがストレスの原因を詳しく説明したのが「Haltの法則」です。

その中に「疲れ」があります。確かに不眠は「疲れ」に直結します

そして「Haltの法則」には「イライラ(怒り)」「孤独」もあります。

「イライラ(怒り)」「孤独」も眠れないのと関係があります

そういう意味で研究レポートで主張している通り断酒後の不眠対策は継続のためのキーポイントかもしれません

Haltの法則についてはこちらにまとめました

HALTの法則で依存症は回復する
HALTの法則とは依存症の人がアルコールの再飲酒、薬物の再利用を防ぐポイントです。今回はアルコール依存症の事例で説明しましたが、薬物依存症など他の依存症・精神の病気を引き金とする障害・症状からの治療・回復に応用できます。病院・自助グループでも使われます。

レム睡眠についてはこちら

お酒で睡眠のリズムが壊れる|レム睡眠とノンレム睡眠
レム睡眠とノンレム睡眠睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠という2つの睡眠状態に分けられます。レム睡眠は浅い睡眠、ノンレム睡眠は深い睡眠です。アルコールはこの睡眠のリズムを壊します。脳波のリズムを調べると、普段はベータ(...

断酒後はおもに寝つきが悪くなる

研究によると断酒後は「入眠」「睡眠維持」両方に問題があるが「入眠障害」のほうが深刻だと報告しています

研究参加者の半分はアルコール依存症になる前に不眠症にかかっていたと指摘しています

私の体験上断酒後に寝つきが悪くなるのは分かります。

私も飲まなくてもよく眠れるようになってから断酒継続ができるようになりました

アルコールを飲んで寝る、いわゆる寝酒は睡眠の質を下げます

しかし、寝酒のメリットとして唯一入眠効果があげられます

研究結果のように半数がもともと不眠の症状があったのだとしたら、その人たちがアルコールを毎日飲む理由は寝酒で眠ることだと思います。

断酒は当然寝酒もやめることなので「寝つきが悪くなる」のはうなずける報告だと思います

アルコールを飲むと眠くなる理由はこちらです

お酒を飲むとなぜ眠くなる?
この記事は「お酒を飲むとなぜ眠くなる?」ですお酒を飲むと眠くなりますよね。しかし、逆に目が覚めてしまうこともあります。一般にお酒には入眠効果があるけれど睡眠の質を悪くする働きがあるからです。そもそも...

こちらの動画でもお酒は入眠を助けるけれど睡眠障害の原因になることを説明しています。

お酒と睡眠の危険な関係【精神科医・樺沢紫苑】

対策は不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)

研究では不眠対策は薬に頼るより「不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)」が効果的だと報告しています

ざっくりと内容を見ると対策は「睡眠制限」とあります。ポイントを挙げると以下のようになります

不眠で苦しんでいるなら、ベッドで寝転がったり寝返りを繰り返したりしないほうがいい。

むしろ、15分以内に眠れない場合は、ベッドから離れることをお勧めする。

眠れない場合は「眠れない苦しみ」を避けてベッドから離れましょう。そしてその後があります。

眠くなるまでは、横になれる別の静かな場所を見つけて過ごす。

眠くなりかけたら寝室に戻って寝る。

その理由について報告しています

そうしなければ、あなたはあなたの「ベッド」を「眠れない不安」と関連付けることを学ぶのです。

つまり心理的に「寝室=不眠」と頭の中で関連付いてしまうのがよくないということです

朝遅くまでベッドにいると、その夜は眠れなくなります。

長い時間ベッドで過ごすのは良くないと報告しています。

ベッドで長時間過ごすのは、体のリズムを狂わせて入眠を妨げる

ベッドで過ごすのはその時は休息になるけどあとで不眠という犠牲を払うという内容です。

「不眠」を訴える人は「短い時間しか眠れなかった」と言います

しかし時間にこだわりすぎると睡眠効率の低下につながる

睡眠効率とは睡眠時間ベッドで過ごす時間割ったものです。

ベッドで過ごす8時​​間のうち6時間眠ると睡眠効率は75%になります。

「CBT-I」を実践すると睡眠効率は100%に近づくでしょう。

ベッドで過ごす時間を制限することで、睡眠の効率を改善します。

睡眠制限は、睡眠への欲求を高めるためなので、極端ではないレベルで行います。

これにより、睡眠が強化され、睡眠の不適合が改善され、睡眠効率が改善されます。

以下が「CBT-I」に関する記事です

What Is Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia (CBTI)?
What is cognitive behavioral therapy for insomnia (CBTI)? Learn how a treatment program may help to cure insomnia without the use of sleeping pills.

「CBTIスペシャリストを見つける方法」

The American Board of Sleep Medicine - Verification of Diplomates
The American Board of Sleep Medicine (ABSM) was established to encourage the study, improve the practice, elevate the standards of Sleep Medicine, and issue cer...

以下が睡眠制限に関する記事です。

How Sleep Restriction Is Used as a Treatment for Insomnia
Learn about the use of sleep restriction as a treatment for insomnia and how spending too much time in bed can actually diminish sleep efficiency.

また補完療法として以下の方法を上げています。

  • リラクゼーションとバイオフィードバック療法
  • 漸進的な筋弛緩
  • ヨガ
  • アロマセラピー
  • マインドフルネス瞑想

眠る前のリラックスできるルーチンを自分で開発する

寝る前に自分でできる日課を工夫しましょうと言っています。

日記を書く・瞑想アプリをダウンロードする・温かいお風呂でくつろぐなど

消灯する前に心を落ち着かせることで眠りやすくなります

部屋を暗く、涼しく、快適に保ちます

寝室でテレビ、携帯電話、コンピューター、または電子書籍リーダーを使用しない

これらの電子機器からの青色光は、体内の睡眠誘発ホルモンであるメラトニンを抑制し、体内時計を妨害する可能性があります。

室温を保ち、遮光カーテン、シェード、またはブラインドを使用して寝室を暗くすることを推奨しています

こういった記事も役立つかもしれません

良い睡眠の条件|日本睡眠科学研究所
良い睡眠の条件。睡眠科学やライフサイエンスの視点からまとめた「睡眠」に関する最新の研究結果を掲載しています。寝具の進化をサポートする当研究所の活動内容など、「質の良い睡眠」について役立つ情報が満載です。
健康と眠りと環境にやさしい企業 西川リビング
“自分に合ったまくら”を実際に使用することで、睡眠にどんな影響が出て、眠りがどう変わるのかという実験を行ったところ、驚きの結果が出ました。ぜひご覧ください!

睡眠スケジュールを維持する

睡眠と目覚めのスケジュールを維持することを心がけます

これにより、体は特定のタイムスケジュールに慣れ、時間になったら眠りにつくことができるようにます。

また昼寝を避けます

昼寝は夜間に適切な時間に眠りにつくのを困難にします。

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気持ちよく起きたいのに布団から出られない朝、屋内にこもりながらコーヒーと過ごす運動不足の昼間、眠くなっても寝たくない、スマホと過ごす自分だけの夜…思...

夕食には刺激・興奮につながる飲食物を避ける

脳を興奮させて睡眠を乱すものとして、カフェイン(コーヒー、紅茶、清涼飲料、チョコレート)およびニコチンをあげています

Psychology、Health&Medicineに掲載された研究によると、平均的な人はタバコを吸うたびに1分以上睡眠を失うそうです。

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カフェインやタバコは不眠のもと眠気解消にはならない
轟はり灸治療院の記事、カフェインやタバコは不眠のもと眠気解消にはならないです。

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