
この記事は「アル中ワンダーランド まんしゅうきつこ」です

まんきつさん 読売onlineより引用
「アル中ワンダーランド」は著者のまんしゅうきつこ(現在はまんきつ)さん自身のアル中体験を元にしたエッセイ漫画です。
女性の何気ない日常生活で著者がお酒が原因でダメになっていく様子や、人との微妙なズレ・ネガティブ感情がアルコール依存症へと進ませていく心の中の風景が描かれています。
アルコール依存症についての詳細は私の他の記事や色々な書籍・サイトで理解していただくほうがいいかもしれません。
私は最初この作品を見たとき正直言って「絵が苦手だ」と思いました。
しかし、著者のまんきつさんは正直に恥を晒しています。
しかも笑いに昇華しています。
それがこのマンガの長所だと思います。
コミックスの発売が2015年4月なのですが、内容が内容なので古さは感じません。
そして何より美人で有名な方です。
その後「湯遊ワンダーランド」が3巻まで発売され大変好評になりました。
無料で作品の一部をチェックできるサイトのリンクも貼りました。
作品の概要

Womantypeより引用
本人は笑って楽しんでほしいと思って描いたそうですが、飲んでいた頃はしんどかったそうです。
「私がお酒にはまったワケ」とマンガブログを始めたことがきっかけで飲酒は酷くなりました。
「マン臭きつ子」というペンネームも反響が大きくて仕事は増えますが身内から苦情を受け「まんしゅうきつこ」とひらがな表記に変更します。

ブログのネタがない

私の生真面目さが邪魔をしている

ぶっ壊れろ、と思いお酒を飲みます
最初は気分転換のはずがはまってしまいます。
記憶は無くすものの「お酒を飲めば今を乗り越えられる。そう思った」と飲酒地獄にはまります。

Woman typeより引用
インタビューでは当時の心境を語っています。
「もう書きたくないし、辞めちゃおうとも思ったんですけど、すでに書籍化の話が決まっていました。それに、ひどいコメントを送ってくる人たちをギャフンと言わせるためにも、「書き続けなければ」って思ったんです。ああいう人達って心を折って筆を折らせることが目的なので、ひどい反響があればあるほど、絶対に続けてやろうって思った。
そこに立ち向かうために、飲み始めたのがお酒です。お酒を飲んで、全員ぶっ殺してやろうと思っていました。書いたやつ一人一人を待ち伏せしてやろうとか、家に押しかけて火つけてやろうとか考えていて、「私が刑務所に入ったらごめんね」って母にも伝えていました。実際にはやらなかったけど、まぁ、そういう妄想をする時期ってみんなありますよね……(笑)?Woman typeより引用
その後はトークイベントでおっぱいを出す醜態・出版社の新年会では社長のスピーチの最中にベタな合いの手を入れ続けるなど失敗続き。
いつも「気がつけば朝」とブラックアウトの常習化。
近所の人には「キチ〇イ」呼ばわりをされます。
1日中お酒を飲むようになり酩酊状態が習慣となります。
水代わりに酒を飲む。
「目的もなく適当な駅で下車し、ベンチに座り電車を乗り降りする乗客をただ眺める」
そして自分の葬儀の様子を妄想し微笑みます。
みりんや消毒用のアルコールも飲みます。

Womantypeより引用
やがて夫と離れ実家に戻り依存症の治療を受け始めます。
アルコール依存症と診断されながらも「完全に誤審だな」と思います。
しかし薬を飲み続けやがて断酒会に繋がります。
「私は完全にお酒をやめた」
「いろんな人に迷惑かけたなぁ。みんなへの恩返しのためにもこれから頑張るぞ」
「それから人生長楽しもう、あたしの人生。まだ39だしなんだってできる」
作品の最後に中川淳一郎氏・小田嶋隆しとの鼎談が掲載されています。
著者紹介

著者インタビュー・対談・動画

私の感想
私の感想としては「アル中」あるあるですね。
しかもなるべくしてなった依存症、お酒に近づいてはいけない典型的なタイプに見えます。
今断酒継続に励んでいる人はうなずく箇所が至るところにあると思います。
またこの漫画を読んで思い当たる節があれば「お酒を飲んではいけない人」ということになると思います。
酔っておっぱいを出したことも自分で不細工だと思っている方(左)をわざわざ出すところは自虐的な依存症の人でなければ理解しがたい感覚だと思います。
この本をお勧めしたい人
- アルコール依存症の人。
- 大酒飲みの人。
- 普段飲まないけど飲んだら記憶をなくす人。
- 女性の依存症・メンタル疾患で悩んでいる人。
- 作者のファン。
この本が向かない人
- アルコール依存症に理解がない人。
- アルコール依存症はこういう風にしなければ回復しないと思っている人。
- 著者の絵が嫌いな人。
- アルコール依存症の本格的な内容を期待している人。
(単行本) (Kindle)
|
こちらから作品の一部を読むことができます(無料)



著者の関連作品
(単行本)(Kindle)(単行本)(Kindle)(単行本)(Kindle)(単行本)
参考記事


このページは依存症・毒親・機能不全家族・アダルトチルドレンなどに関係があると管理者が考えた作品の中で素晴らしい作品を紹介しています。