
この記事は「酒乱の夫は治らない」です

結論は「専門家のアドバイスと仲間を作って解決しよう」です
酒乱の旦那さんに手を焼いていますか?
- 飲むとネチネチからんでくる。
- 酔うと暴言・暴力がある。
離婚しようと思っても「お金」「子供」のことが気になります。
暴力を振るうタイプなら離婚を切り出すと何をされるかわからないと不安を感じている方も多いと思います。
しかし弁護士に相談するのはハードルが高い。
また酒乱タイプには普段は穏やかでいい人だったり、気配りができて親切な人も多くギャップが大きいので、知人・友人に相談しても奥さんが話を大げさに盛っていると取られる場合もあります。
それが奥さんが「夫が酒さえやめてくれれば」と独り思い悩む理由です。

辛いわ
最近の遺伝子の研究によると「酒癖が悪くなりやすい遺伝子」は肝臓でも脳でも発見されています。
酒乱の人が必ずアルコールに依存するわけではありませんが、私の経験上依存症の人は酒癖が悪いのは確かです。
それを解決する方法があります。「夫の断酒(お酒を飲まない)」です。

夫が医療機関や支援グループに繋がればお酒をやめるかもしれません
ただ本人がお酒を飲むか飲まないかは妻がいくら頑張ってもコントロールできません。
そこで専門の医療機関とアルコール問題で悩む家族の方の相談先をまとめました。
アルコールの問題は世間で言われる「常識」が通用しません。
自分一人で悩むのをやめて「夫の飲酒の悩み」を少しでも解消しましょう。
酒癖の悪さは遺伝子で決まっている?
酒乱と遺伝子の関係についての研究があります。
- アルコール脱水素酵素の遺伝子は4つのパターンに分類されます。
- そのうちの一つ「お酒を飲めて、血中アルコール濃度が上がりやすいADH1B*2を2つ持つ人」は酒乱になりやすいそうです。

4分の1の確率!!
また上記は肝臓ですが脳の報酬系でも「内在性レトロウイルスの一種である『HERV-K HML-2(HK2)』がドーパミンの放出に関連する遺伝子(RASGRF2)の近くに存在すると薬物中毒者になりやすい」というオックスフォード大学とアテネ大学が共同で行った研究があります。
酒乱の意味
酒乱とアルコール依存症は違う
医学的には酒乱とアルコール依存症は分けて考えられています。
もし夫が酒乱でも普段お酒を飲まないタイプなら被害は事前に予防できます。
対処法は「お酒を飲むとどうなるか」を夫に説明することです。
そのうえで「飲まないでね」と言えば終わりです。

しかし
- 約束してもいつも破られる。
- あるいは毎日のように酒を飲んでいる場合。
はアルコール依存症の可能性があります。
夫の酒乱度をチェックしよう
夫の飲酒は大丈夫?
まず夫の飲酒が大丈夫かどうかのチェックツールをいくつか挙げておきます。
詳しい解説はこちらの記事にまとめています。

アルコールには耐性がある
チェックの結果はいかがでしたでしょうか?
もし今のところは大丈夫でも安心はできません。
アルコールの怖いところは耐性があることです。
- 簡単に言えば「飲み続けていくうちに強くなり、量が増える」ということです。
- 先ほど遺伝子について書きましたが肝臓(代謝耐性)であれ脳(組織耐性)であれ「繰り返しているうちに酔いの効果が弱くなるのは同じで最終的にはほとんど効かなくなる場合もあります。
- ですから、夫がチェックツールで要注意だった場合でも、このまま進めば危険度は高くなります。

「依存症と食虫植物は一緒である」と言った人もいます
- お酒を蜜に引き付けられる虫と例えて、少しずつ中心に近づいていくのと似ていると説明しています。
- 途中でマズイと思ってもその時にはもうやめられず、食虫植物の消化液に落ち、溶けるのを待つ虫と同じである。
つまり「依存には境界線はない」ということです。
ちなみに私が入院していたアルコール専門病院のスタッフは「毎日4合(ワイン1本、ビール中4本)を10年飲めば、我々が世話をする可能性は高くなる」と言っていました。

今のうちに何とかならないかしら?
アルコール依存症への家族の接し方は世間の一般常識が通用しない
アルコール依存症というのは病気です。

病気? 夫の意志が弱くて、だらしない性格だからでしょう
ただし肝臓や胃腸の病気ではありません。精神科の病気です。
- 病気なので専門的な治療をする必要があります。
- ほとんどの酒飲み・酒乱の妻は常識的な世間で当たり前の接し方をします。
例えばこの記事の最初で述べた「飲まないでね」と言ったりします。
それで夫の飲酒問題が消えてなくなるのならそもそも悩みの種にはなりません。
もし妻がお酒を隠したり、二日酔いの介抱をしたり、夫の失敗を隠したりしていたら。それは依存症を加速することになります。

世話をしないでね
これには「アルコール依存症は家族を巻き込む病気」だということを知識として持つ必要があります。
- そのうえで専門の医療機関や相談先のアドバイスを受ける必要があります。
- 私はアルコール依存症と診断されて20年、断酒して12年、その間多くの依存症やその家族を見てきましたがこのことは事実です。
なぜ一般の病院ではなく専門の医療機関なのかということについてはこちら。

家族を巻き込む病気であることについてはこちら。


暴力があるなら
もし今暴力があるなら緊急に対応しなければいけません。
また言葉の定義で「暴力」というのは範囲が広いので、それぞれに対応する必要があります。

酒乱の夫と離婚はできるの?
夫と離婚したいと思っても簡単には踏み切れません。
- まず「経済問題」があります。そして「子供の問題」です。
- そしてそもそも「夫の酒癖が悪いからって離婚できるの?」という疑問もあるでしょう。
以下に離婚に関することをまとめました。

専門家のアドバイスと仲間を作って解決しよう
繰り返しますがアルコール問題は世間一般の常識が通用しません。
- 日本は飲酒に甘い国です。神様もお酒を飲むし、お坊さんも飲みます。
- 昔暖房がないころはお酒で温まるというのは合理的だったと思います。
- また薬が不十分だったころはアルコールで血行を良くしたり寝酒で不眠を解消することもありました。

仏教で僧侶がお酒を飲むようになったのは高い山奥に籠って修行をするようになってからだよ。寒さ対策だね

南方の仏教ではお酒を飲みません
何より娯楽の少ない時代ではお酒を飲んで語り合うというのは楽しみであったのは事実です。

テレビは平成天皇の結婚の儀(1959年)や前の東京オリンピック(1964の年)のころから普及し始めたよ
- しかし現代では日常生活でお酒を飲む必要性はどんどん薄れています。
- アルコールは合法なので、ついつい甘く考えがちですが強力な依存性物質です。
- 今後アルコールについては社会的にもどんどん厳しくなるはずです。
2003年に実施された全国成人に対する実態調査によると、飲酒日に60g(純アルコール量として)以上飲酒していた多量飲酒の人は860万人、アルコール依存症の疑いのある人は440万、治療の必要なアルコール依存症の患者さんは80万人いると推計されています 厚生労働省
今国をあげてアルコール問題に取り組み始めています。
とは言っても実際にどこへ相談に行けばわからないだろうと思います。
参考記事
