
この記事は「アルハラは犯罪」です
飲み会などでソフトドリンクを頼んだ時「飲め!その場の空気が悪くなる」などと言われたことはありませんか?
昭和的なおやじなどと言われそうですが、今でもお酒を強要する人はいますよね。
私は断酒してからはめったにお酒の席へは参加しませんが、断れない場合もあります
ハラスメントは人を困らせ、嫌がらせることです。

アルハラはウザいパワハラというより犯罪です
- 強要罪・傷害罪・過失傷害・保護責任廃棄の対象になります。
- 死亡者を出している職場もあります。
- 飲酒を強要する行為は法律問題です。
- イッキ飲ませを強要してはいけません。
今回の記事ではアルハラの事例を法律とともにまとめました。
最後にアルハラ防止・対策として飲み会の主催者・幹事に望むことを書きました
アルハラとは?
アルハラは飲酒に関連した嫌がらせや迷惑行為、人権侵害

アルハラは厚生労働省の定義によると、以下のようになります
アルハラとは、アルコール・ハラスメントの略で、飲酒に関連した嫌がらせや迷惑行為、人権侵害を指します。

アルコールは、自分が飲みすぎて他人や社会に迷惑をかけることに対してとても軽く考える性質を増幅させる薬物だと思います

失敗に懲りずに飲み続けるという行為自体が、さらに人を反省できない病気にしてしまいます
詳しくはこちら

飲酒の強要はアルハラ
上下関係・部の伝統・集団によるはやしたて・罰ゲームなどといった形で心理的な圧力をかけ、飲まざるをえない状況に追い込むこと

「お酒は人間関係を円滑にする」というのはお酒が好きな人の言い分かもしれません
アルコール依存症の自助グループでは、以下のような体験談はけっこうあります。
- 「最初は酒を飲めなかったが会社の付き合いで次第に量が増えていった」
- 「先輩に一気飲みを強要された。最初は飲めなくて笑われたが、そのうち同僚の誰よりも酒豪になった」
以下のような体験談はめったに聞きません。
- 「新入社員に一気飲みを強要してしまいました」
- 「誰かを酔いつぶしてやろうと思って、飲ませました」
- 「感情のブレーキが利かなくなって、ひどい言葉を浴びせかけてしまいました」

自分が酒を飲むようになったのは誰かのせいという被害者意識はある

しかし酒で人に迷惑をかけたり、傷つけたという加害者としての自覚は、残念ですが弱いと言わざるを得ません
また「ひどいことを言ってしまった」と言いつつ、謝って許してもらったら、もう解決したとばかり「そのような事実はなかった」ような気分になっているようです。
- お酒は人間の理性を麻痺させます
- 冷静な判断力を奪いますが、お酒には人に「あれこれ理由をつけて正当化する」作用があります。
- 飲酒の強要はアルハラです。
イッキ飲ませはアルハラ
場を盛り上げるために、イッキ飲みや早飲み競争などをさせること。「イッキ飲み」とは一息で飲み干すこと、早飲みも「イッキ」と同じ
もう一つ重要なことは「アルハラは生命にかかわる」ということです。

急性アルコール中毒の問題です。今は「アルコール中毒」というと、こちらの意味でつかわれることが多いです
厚生労働省によると急性アルコール中毒は「アルコール飲料の摂取により生体が精神的・身体的影響を受け、主として一過性に意識障害を生ずるものであり、通常は酩酊と称されるものである」と定義されます。

特に気を付けたほうが良いのは若年者・女性・高齢者・飲酒後に顔の赤くなるタイプの人です
若年者・女性・高齢者・飲酒後に顔の赤くなるタイプの人達はアルコールの分解が遅いため、飲酒によるリスクが高まります。
- 急性アルコール中毒は特に若年者に多いのです。
- 若年者に多い理由は「自分の限界が分からない」「アルコールに対してまだ耐性が低い」ことなどが理由に挙げられます
- 大学生や新社会人では新人歓迎行事があります。

場を盛り上げるためにコールを振られる飲み会などでは今でもイッキ飲みの慣習が残っているようです
イッキ飲ませはアルハラです。
アルハラの事例
意図的な酔いつぶしはアルハラ
酔いつぶすことを意図して、飲み会を行なうことで、傷害行為にもあたる。ひどいケースでは吐くための袋やバケツ、「つぶれ部屋」を用意していることもある
- 飲めないことをからかったり、侮辱する。
- 本人の体質や意向を無視して無理強いする。
- 知らぬ間にアルコールをコップに入れる。
- 食べ物のメニューをわざと隠す。

以上の行為は重大な人権侵害です。飲めない人に無理やり強いてはいけません
アルハラの各行為と罰の内容は次の通りとなっています。
脅迫されて無理矢理お酒を飲まされた→ 強要罪(3年以下の懲役)
お酒を強要されて酔いつぶれた→ 傷害罪(15年以下の懲役または50万円以下の罰金)
急性アルコール中毒になった→ 過失傷害(30万円以下の罰金または科料)
飲酒が原因で倒れたのに救急車を呼んでくれなかった→ 保護責任廃棄(3カ月以上5年以下の懲役)集団訴訟プラットフォームenjinより引用
意図的な酔いつぶしはアルハラです。
飲めない人への配慮を欠くことはアルハラ
本人の体質や意向を無視して飲酒をすすめる、宴会に酒類以外の飲み物を用意しない、飲めないことをからかったり侮辱する、など。

飲めない人への配慮も必要です
酒好きな人は飲まない人の視点からチェックしなければいけません。
アルハラ防止のために重要なのは、まず主催者・幹事のハラスメントについての自覚と責任です
- 一番責任があるのは「アルハラ行為をした本人」です。間違いありません。
- ただ酒が「理性を狂わせる」のは事実なので主催者・幹事もぜひ注意を払っていただきたいのです。

もちろん大酒飲みが、自分が飲みたいからという理由で、飲み会をすることは自重・自粛するべきです
- 会席にはアルコール以外の飲み物(ソフトドリンク)を用意するのは最低限のルールです。
- 運転手にはウーロン茶などをサービスして飲酒運転を防止しなければなりません。
- アルコールの分解能力には個人差があるので、飲めない体質の人には無理に勧めてはいけません。
一般的に女性の方がアルコールに酔いやすいので配慮は欠かせません。
- 酒が好きな人が、上司や飲み会の責任者になると「自分が飲みたい」という理由で、他人にも無理を強要します。
- お酒が大好きな人で「俺は問題ない」と思っている人は他人にお酒を強要していないかどうかを飲まない人の視点でチェックしていただければ嬉しく思います。
飲めない人への配慮を欠くのはアルハラです。
酔ったうえでの迷惑行為はアルハラ
酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言・暴力、セクハラ、その他のひんしゅく行為。

事前の工夫が必要です
酔って理性が低下した状態では暴力・セクハラを自分でコントロールできない人は必ず出てきます。
- 飲みすぎないようにほろ酔いで止める
- 2本まで、3本までと制限をかける
- 酔ってきたなと思ったら、ソフトドリンクに切り替える
- 自分の酒は自分でつぐ
- 酔った状態の人を1人きりにしない
- 危ない人はマークし、お互いに止めあう
- 飲まない人を数人用意して、見回りする
酒には人を無反省にする欠点があるように思えて仕方がありません。

酒が好きな人は酒に甘いです
酔ったうえでの迷惑行為はアルハラです。
策として飲み会の主催者・幹事に望むこと
アルコールは少量なら気持ちをリラックスさせたり会話を増やしたりする効果があります。
少量なら得られる「リラックス効果」も飲みすぎれば「自己中心的」「本能(悪い意味での)むき出し」になってしまいます。

単なる悪ふざけのつもりから、暴言・暴力、セクハラへと進みます
飲み会の主催者・幹事は、アルコールにはそういった悪い面があることを自覚してアルハラがない飲み会を行なっていただきたいと思います。

「私の上司はお酒が好きだけど、飲まない人にしっかり配慮してくれる」
以上のような飲み会は安心できますね。
参考記事
