
この記事は「漠然とした不安を克服するために依存症の私がしたこと」です

結論は「断酒をしながら自己肯定感を高める」です
午後から夕方、そして夜が近づくと強い不安や恐怖に襲われたことはありませんか?
また急に物悲しくなり音楽や風景を見て涙が止まらなくなったことはないですか?
普段から人前が苦手だったり、楽しいはずの友人との食事でも疲れてしまい、終わってから自分のぎこちなかった受け答えを思い出し「こんな反応をして変な奴と思われたんじゃないのか?」「相手を不快にさせてしまった?」と悶々と一人思い悩むなど…。
- 私は飲み始めの頃は夕方が近づいてくると気分が落ち着かなくなり、それが嫌でお酒を隠れて飲むようになっていきました。
- アルコール依存症と不安障害やうつなどの症状は併発しやすいことが分かっています。

私も不安障害という診断名が付いたことがあります
アルコール依存症になると度重なる失敗やお酒をやめようと思ってもやめられないことに不安と罪悪感を感じます。

不安障害にはいろいろな症状があります

パニック障害があります

不安障害になると急に涙が出ることがあります
- 特に夜一人になると不安・孤独の感情に突然襲われて自分が可哀そうという自己憐憫になりお酒や自傷行為に走ることがよくあります。
- 強い不安と罪悪感の理由の一つにはお酒を飲みすぎたことによる体調の悪さからくる気分の低下があります。
しかし私の場合大きい要因は不安と罪悪感から自己憐憫に陥る悪循環でした。
悪循環を克服するにはまず断酒が必要でした。
そして断酒しながら自己憐憫からの脱出をするために自己肯定感を高めると、漠然とした不安・罪悪感は減っていきました。
今回の記事は私の体験からアルコール依存症の不安障害に効果があると思った「同じ病気を持った他人を認める方法」についてまとめました。
なぜ不安と罪悪感の虜になると自己憐憫にハマるのか
アルコール依存症になると飲まずにいられないから飲みます。

私も飲んだ理由などは本当はどうでもいいことばかりでした
強いて言えば「飲まなければ不安だから。落ち着かない」という理由で飲みました。
依存状態になっていることが問題なのにその事実を直視せず「○○だから飲む」と言います。
漠然とした不安に罪悪感がプラスすると今度は疚しさを正当化したくなって他人の同情をひきたくなってきます。
同情と自己憐憫
同情して欲しくなる感情がアルコール依存症に特有の自己憐憫です。
- 上司がひどい人間だから
- 妻がうるさいから
- こんな不幸なことがあったから

だから私は可哀そうです。お酒を飲んでも許されますよね!!
そう言って自分の不幸を理由に不安と罪悪感を他人からの同情・承認で埋めようとします。
- 周囲の人々はついつい依存症者の「自分を悲劇のヒーローに仕立てた妄想」にのせられます。
- そして「いつかは酒をやめるんじゃないか」と甘く見逃します。
周囲から見ると過去の自分にこだわり過ぎているように見えるので「前を向いて進もうよ」と励まされますが、本人は自己憐憫というぬるま湯から出ると風邪を引きそうな気がするので簡単には出られません。
かといって、周囲の人が同情しすぎると、本人とっては「免罪符」が与えられたことになり飲酒は一層ひどくなります。
やっかいですね。

理解をしてあげるのはいいのですが、同情のし過ぎは自己憐憫が余計ひどくなります
自己憐憫についてはこちら

アルコール依存症と不安障害には高い併発関係がある

不安障害は不安・恐怖が異常に強くなり精神的な苦しさを生み生活にも支障をきたすような疾患です
アルコール依存症と不安障害の併発関係は高いといわれていますが、そのメカニズムは詳しくわかっていません。
酒におぼれてくると不安・自己憐憫と罪悪感の虜になる
酒に溺れてくるとまともな生活を送れなくなってきます。
私もブラックアウトを繰り返して色々なものを無くしたり人の信用を無くしました。

酷い二日酔いで仕事を休むことも増えました

酒代も多額になっていきます
私は心の底では何とかして酒をやめなければと思うのですが自分ではやめられませんでした。
そして不安・自己憐憫と罪悪感の虜になります。
セロトニン不足の二日酔いの頭ではまともに反省ができない

二日酔いの頭でする反省はたいてい単なる自己嫌悪です
- 飲みすぎの翌朝は体内でカリウムやセロトニンが不足します。
- カリウムやセロトニンが不足すると脳内で神経伝達がスムーズにできなくなり落ち込んだ気分になります。

二日酔いに独特の欝な気分になるので反省というより自己嫌悪・自己憐憫になりがちです
冷静に反省するには理性的に原因を探る必要があるのですが、なぜかアルコールが抜けて体が回復してくるとまた性懲りもなく飲みたくなるのが依存症の脳の回路です。
詳しくはこちら

対策は断酒をしながら自己肯定感を高める
まずは断酒
私の体験上まずは断酒が大切だと思います。

飲んでいる間は不安を解消することはできませんでした
アルコール依存症は不安障害もうつ病も併発しやすいのですがお酒を飲むと不安になりうつ状態になるので原因を突き止めるのが困難になります。
不安障害やうつ状態から飲酒がひどくなったのか、飲酒が原因で不安障害やうつ病になったのかを見極めることが必要です

飲酒によって不安とうつ状態が増しますから
不安が消えることはあり得ない

そもそも人間として生きている限り、不安が消えることはありません
人間には自己保存の本能があります。
他人から見ると羨ましく思える人でも、その羨ましい状態を失いたくないという感情は強くあります。
今トップの人でも努力を続けない限り、トップを狙っている人たちにやがて敗れます。

頂きが高いほど、競争は激しく大変です
自己肯定感を高めることが必要
私は自分を不安・罪悪感・自己憐憫から脱出させるには自己肯定感を高めることが大切だと思います。
自己肯定感が高まると不安が薄れていきました。

自分自身の体験から依存症の場合は同じ病気を持った他人を認めるのが確実な方法だと思います
具体的な方法はこちらにまとめました

依存症の人が陥りがちなポジティブ思考への逃避
世の中に自己肯定感を高める方法・ポジティブになる方法はたくさんあります。
- 私も断酒がうまくいかない時には、漠然とした不安から少しでも元気になりたいと思い、いろいろと試してみました。
- ところがポジティブ思考は良いと思い、その気になって続けるのですが、ずっとは続きませんでした。

効果はあるのですがそれを上回る試練がやってきたときに乗り越えられませんでした
取り組み方が悪いのだろうと思っていると自己評価が低いため結局「自分はダメだから続かないんだ。世の中にはポジティブ思考でうまくいく人もいるが自分にはできない」そう思い、続きませんでした。
そうしてまた新しいメソッドを見かけると「今度こそは」と思いチャレンジしましたが結局は同じでした。

確かに断酒してからは自分を励ますのは大事だということを実感し、納得できるようになりました
しかし今でも「何があっても明るい面だけ見るのだ」「良いことしかやってこない」というのはやはり無理があると思います。
コップの水が半分残っているときに「まだ半分ある」と思うのは勇気が出ます。
しかし現実には「半分は半分」なので、いつも「まだ半分ある」というのは自分をごまかしていることにもなります。
- 体が悲鳴を上げているのに、まだ大丈夫と言って飲み続けてきました
- ギャンブル依存症の人も、まだ何とかなるといってやめません
- 依存症の人は現実逃避の癖が心にしみついているので、安易なポジティブ思考は形を変えた現実逃避になりがちです

チェックポイントは急に気分が落ち込む瞬間がないかどうかです

無理な前向き思考に疲れたときにスリップしやすくなります
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自分を鼓舞するときは現実を正直に受け止めるバランスが大切
私は自分自身の体験からバランスが大切だと思うようになりました。
- 自分が沈んでいるときは「まだ水は半分ある」と言って自分を鼓舞する
- 自分が行き過ぎて自信過剰になっているときは謙虚に現実を受け止めて間違いを反省し、次につなげることが必要だと思います

アクセルとブレーキの使い分けが重要です
失敗したときに「大したことはない。大丈夫」というだけでなく「失敗から何を学び、それを次にどうつなげるのか」という視点がなければ、私はやがて現実の大波に襲われたときにおぼれてしまうだろうと思います。

断酒継続の中で少しずつ現実を受け入れるようになり、そう思うようになりました
自分と同じ病気を持った他人を認めることは自己肯定感につながる

そのために有効なのは同じ病気を持った他人を認めることでした
- 人は都合の悪いことは認めたくありません。
- 依存症になればなおさらです。

私は自分が酒におぼれるようになった原因を簡単には見つけられませんでした
長年にわたってごまかし、言い訳を並べながら飲み続けて依存症になったわけですから。
- しかし、人は自分の間違いは直視できなくても他人の姿なら受け入れやすいのです
- 他人の酔った時の失敗談を聞いて、最初は自分と比較して罪悪感をごまかそうとしますが、どこかの地点で共感が始まります。

そうだ俺もあんな飲み方をしていた

つらい気持ちは私も同じだわ
そういった共感から他人の姿を認められるようになると自分の過去の悪事も認められるようになります。

さらに同じ依存症でありながら断酒をし回復をしている人を見て希望を抱きました
その希望が自分自身をも断酒継続や回復に向かわせて病気を持ちながら欠点を抱えながらそれでも生きることがうれしいんだという健全な自己肯定感を育むことができるようになりました。
そうなると罪悪感は次第に懸命な反省へと変わり自己憐憫の罠に陥らなくなっていきました。
気分が落ち込んでいる時に、一切の善悪の判断をせず、自分のつらい感情に「わかるよ」と共感してもらえれば、軽度の落ち込みならそれだけで元気が出ます。
同じことを自分に向かってやるとバカみたいで上手くできません。
しかし、同じ苦しさ、辛さを持つ他人の感情に共感するのは、自分の話を聞いて貰うのと同じ効果があります。

私も断酒しながら社会的にも個人的にも活躍している人を見習いたいと思っています
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