断酒に失敗していた頃は「少しだけなら飲んでも」と考えていた

この記事は「断酒に失敗していた頃は「少しだけなら飲んでも」と考えていた」です

結論は「酒に無力であることを認める」です

断酒継続は本当に大変ですよね!

断酒を継続させる基本中の基本は「少しだけなら飲んでも構わない}という気持ちの克服です。

スリップの悪魔は「そろそろ飲んでも大丈夫じゃない?」と巧妙に囁いてきます

対策はやはり「アルコールに対して無力」であることがどれくらい腑に落ちているか次第です。

自分ではわかっているつもりでも日常のストレスなどが原因でいつの間にか脇が甘くなりがちです。

時折こういったことを思い出してもらえるきっかけとしてこの記事をまとめました。

ヒントになれば幸いです。

アルコール依存症の治療は断酒

アルコール依存症は飲酒をコントロールできない病気です。

アルコール依存症の治療の基本は断酒継続です

こちらは厚生労働省の記事です。

アルコール依存症への対応
アルコール依存症から回復するための唯一の方法は、断酒=一滴も飲まないことです。飲酒問題を認めない「否認」を克服することが回復への第一歩です。自分で飲酒問題に気付くため、家族があまり手助けしすぎない方が良いこともあります。専門医療期間への受診や自助グループへの参加が回復を助けます。

最近依存症予備軍の人に「底つきを早くするために節酒の治療に取り組もう」という医療機関が増えつつあります

アルコール依存症の支援の変化:「底付き」から「底上げ」へ【医療機関や周囲の支援者が,早い段階から介入する「底上げ」の意識を持つことが必要】|Web医事新報|日本医事新報社
アルコール依存症の支援の変化:「底付き」から「底上げ」へ 【医療機関や周囲の支援者が,早い段階から介入する「底上げ」の意識を持つことが必要】

それは早期に治療・介入ができれば可能かもしれません

「アルコホーリクス・アノニマス」(通称ビッグブック)の第三章から引用

証明のしようはないが、飲み始めの早いうちだったら、私たちのほとんどは酒をやめられたろうと思う。だが困ったことに、時間があるうちに心底やめたいと思うアルコホーリクはほとんどいない。

日本では少しの飲酒ならむしろ健康に良いという考えを多くの人が持っています。

ですからアルコール依存症になると、自分が飲むことを正当化したいので「少量なら構わない」と自分にも周囲の人にも言い聞かせます

これは私自身もそうでしたが今まで出会ったアルコール依存症の人たちに共通の考え方です。

酒は百薬の長

アルコール依存症は否認の病気
この記事は「アルコール依存症は否認の病気」です結論は「断酒し続けながら生き方を変え続ける」です断酒したいのにやめられないのはつらいですよね。またせっかく断酒しているのに生きづらさを感じていませんか...

アルコール依存症は少しだけなら飲んでもいいと思いたい

私もそうでしたが、一般的には最初「あなたはアルコール依存症です」と医師から宣告を受けます

そして問題飲酒者はこの病名に対してまず反発します

俺はアル中じゃない。仕事もしている。家族もある。アル中は浮浪者の仲間じゃないか

こういった病気に対する理解不足から「だらしない人間・意志の弱い人間」とレッテルを貼られることに対してプライドを傷つけられたという怒りがわいてきます。

やがて病気についての知識が増えるにつれ、しぶしぶ「アルコール依存症」というありがたくない病名までは受け取るようになります。

ところが断酒しなければいけないという治療方針はなかなか受け入れられません。

今度こそうまく飲んで見せるさ

健康を害さない程度なら飲んでもいいと思うんだけど

第一の否認は依存症の打消し
この記事は「第一の否認は依存症の打消し」です結論は「第一の否認を乗り越えると断酒1年は近い?」です否認というのは「アルコール依存症であることを認めない」ですよね!!ただここには病名をつけられること...

「アルコホーリクス・アノニマス」(通称ビッグブック)の第三章 」より引用。

私たちがやったことをいくつか書いてみよう。ビールだけに限る、飲む杯数を決める、一人では決して飲まない、昼間は飲まない、家でだけ飲む、家に酒を置かない、仕事の時間中は飲まない、パーティでだけ飲む、スコッチからブランディに切り替える、ナチュラルワインしか飲まない、仕事中に酒に手を出したらクビになることを承知する、旅行をしてみる、旅行は控える、(宣誓の儀式をするかしないかは別にして)永遠に飲まないと誓う、運動の量を増やす、心に感動を呼ぶような本を読む、健康施設や療養所に行く、精神病院に入ることを受け入れる──等々、例をあげればきりがない。

失敗したのは「身体が健康になると少しだけなら飲んでも構わない」と考えたこと

私自身もなぜ「断酒」でなければいけないのかがずっと理解できませんでした

アルコール依存症と診断名がつく直前などは毎日浴びるほど飲んでやがて連続飲酒になりました。

酷い離脱症状を繰り返し、やがてアルコール専門病院に入院することになりました。

連続飲酒は典型的なアルコール依存症の症状
この記事は「連続飲酒は典型的なアルコール依存症の症状」です「連続飲酒」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか?24時間アルコールを手放せなくなる状態です。簡単に言えばずーっと二日酔い、もしくは酔っぱらっています...
離脱症状があればアルコール依存症
この記事は「離脱症状があればアルコール依存症」です。結論は「寝汗」「手の震え」「不安感やイライラ」「不眠」「幻覚・幻聴」「意識障害」などの症状があれば、アルコール専門病院で診察を受けましょう。

入院中は飲もうと思っても普通は飲めません

わずかな外出時間はありますし試験外泊もあります。

そういった場合でも「入院しているから」という意識と病院の監視によって酒を飲みたい誘惑から守られて飲酒しなくても済む患者は多いのです

ところが完全に退院となればです。

早ければその日のうち遅くても数カ月で元の病院へ戻るケースはとてもたくさんあります。

退院と同時に失敗!!

しかし、一度でも入院してアルコールを切る経験をすると断酒スリップを繰り返すようになります。

私は1か月から3か月くらい断酒して、その後失敗しても意外と肝臓の数値などは良くなっていました

ここに失敗への落とし穴があります

身体が健康になったからもう飲めると思ってしまいました

アルコール依存症の治療は肝臓を治すことだけではない
この記事は「アルコール依存症の治療は肝臓を治すことだけではない」です。結論は身体の治療だけでは断酒はできない。否認の正体が、苦しさを和らげてくれる杖を手放すのが嫌という感情から来ているから。そして自分の力...
依存症にとってスリップは当たり前の症状
この記事は「依存症にとってスリップは当たり前の症状」です結論は「スリップした時には、同じ依存症の人の姿や声・言葉を励みにして、もう一度断酒にトライする」ですスリップした時は何もかも嫌になりますよね。...

次の失敗は「長年やめたら少しくらい飲んでも大丈夫」と考えたこと

「アルコホーリクス・アノニマス」(通称ビッグブック)の第三章から引用

そうして彼は、どのアルコホーリクもが陥る考え、つまり、これだけ長いこと断酒してきたのだし、自分を鍛錬して自制してこられたのだから、もう人並みに飲めるだろう、という考えのわなに落ちた。…二か月後、彼は、当惑し、傷ついた自尊心を抱いて病院にいた。…退職した時は、あんなに元気だった彼は、急速に衰えていき、四年もしないうちに亡くなった。…つまり「一度アルコホーリクになったら一生アルコホーリク」なのである。

私は一年近く断酒した後に再飲酒してひどい目にあいました

その体験はこちらにまとめています。

ノンアルコールビールは断酒の味方? 敵?
ノンアルコールビールは断酒の味方なのか敵なのか。ノンアルコールビールを飲んでも肝臓は悪くなりません。私の最後のスリップは10年前でした。その引き金はノンアルコールビールです。その私の失敗体験を書きました

長年やめたからスリップしてもすぐに立ち直るだろう」これはしばらく断酒継続をしていても時折浮かんでくる考えです。

俺はもう1年酒を飲んでいない。そろそろ大丈夫じゃないか?

そして「長年断酒してきたのだから再飲酒したとしてもすぐに立ち直るでしょう」と考えがちです。

これらは「節酒願望」の変形だと思います。

たしかに一年間断酒したご褒美にと「誕生日だけは思う存分飲みたい」こういった感情にもかられがちです。

アルコール依存症ではない人ならそれか可能だし、何の問題もないよね

ところがこの病気を発症するとそうはいきません

なぜできないのかは脳の仕組みを知れば理解できます。こちらにまとめました

依存症になっていく脳とドーパミンのメカニズム
この記事は「依存症になっていく脳とドーパミンのメカニズム」です「依存症は脳の病気」「依存症は脳の報酬系回路が狂ってるんだ!!」などと聞いたことはありませんか?脳の変化を画像などで見ることができるようになって依存症の脳...

しばらく断酒した後のスリップ(再飲酒)はたいていもっとひどい状態を招きます。こちらにまとめました

しばらく断酒しても再飲酒すると目も当てられない状態になる
この記事は「しばらく断酒しても再飲酒すると目も当てられない状態になる」です結論は原点に戻る。「無力」であることを認めるですしばらく断酒できていたのにスリップするとショックですよね。私もスリップばか...

繰り返される失敗によって罪悪感の虜になった

私はアルコール依存症になると飲酒量はコントロールできないことを思い知りました

ですから「上手く飲めるかも」という考えは結局失敗を繰り返させるので自分自身を欺くことになります。

当然繰り返す失敗の結果周囲の人からは「嘘つき」「意志が弱い」と余計に見られるようになりました

アルコール依存症になると病院で飲酒量を尋ねられると実際よりはるかに少ない量申告するようになります。

また家でも休日に昼間からビールを飲むようになります。

その時にビールなら大丈夫。飲みすぎないなら大丈夫と自分自身に言い聞かせます。

心の底では「やめるべきだ」という気持ちがあり、その感情が現実にやめられない気持ちと衝突します

そして自分を責めるようになり、他人から責められているような被害妄想に陥ってしまいます

アルコール依存症の被害妄想を「おめでとう」で和らげた私の体験
この記事は「アルコール依存症の被害妄想を「おめでとう」で和らげた私の体験」です結論は「祝福の言葉を贈ると被害者意識が和らぐ」です相手の些細な言動や仕草で「自分は嫌われている」と感じることはありませんか...
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対策は酒に無力であることを認める

アルコール依存症の人が酒の魔力に対して降参すること「無力」であることを受け入れるのを「底つき」と言います。

飲酒ということに対して迷いなく「ギブアップ」しているかどうかが断酒継続のカギです。

私は酒に対して無力であることをつかんだ経験が断酒を失敗続きから成功に導いた大きい要因だと思っています

どれだけ長く断酒していても「酒に対して無力である」ことを忘れると失敗するようですね

断酒9年半の私から見た断酒一年ができる人の特徴
この記事は「断酒9年半の私から見た断酒一年ができる人の特徴」です結論は「当たり前のこと(原因は自分・無力を認める)で一年の壁を突破しよう」です断酒一年は大変ですよね!!私はアルコール依存症といわれ...
「底つき体験」から断酒が始まる
断酒継続に必要なのはまずは「底つき体験」です。「底つき」は知識として知っているだけでは効果を発揮しません。本当は多くの様々な人の「底つき体験」を知ることが早道ですが、簡単ではありません。「底つき体験」については、ブログの1記事だけでは説明しきれませんが、ガイドラインになるようなものを書きました。
断酒継続は無力であることを認めることから
依存症者が苦しみから逃れる第一歩「無力であることを認める」ことを、私の体験を中心に書きました。依存症が回復へと進むには、自分が悪い習慣に対して無力であること。思い通りに生きていけなくなったことを認めることが第一歩です。

当ブログの全体図です

アルコール依存症の人の症状と特徴
この記事は「アルコール依存症の人の症状と特徴」ですアルコール依存症は精神科の病気ですが、身体的な依存と精神的な依存の症状が出ます。eヘルスネット身体的症状アルコール依存症に特徴的な身体的症状です。アルコール...


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