寂しくて酒を飲むと人は余計に孤独になる

この記事は「寂しくて酒を飲むと人は余計に孤独になる」です

結論は「共感が寂しさ・孤独脱出のカギ」です

お酒ハマる人が持つ特徴の一つは周囲から理解してもらえない寂しさ・孤独です。

  • もともと周囲の人とのストレス違和感などから、寂しい気持ちになり酒に逃げてしまう
  • そしてお酒飲む余計に寂しくなるという人が多くいます

アルコールは理性の働きを麻痺させるので普段抑えていた感情が表に出てきます。

普段は損得勘定や警戒心から自分の感情を抑えてきたのがアルコールの力で解放され、本音を語り友人ができるという点はメリットです。

私は女性の依存症者で酔うと男性に甘えたくなるという話を聞いたことがあります。

私は男性ですが酔って人恋しくなり、電話をかけてしまったことがあります。

少しくらいならご愛敬かもしれません。

しかし、これが習慣化すると迷惑がられますし、それ以上に思わぬ落とし穴が待っています。

それはアルコールの強力な依存性です

最近、男性だけでなく女性一人暮らしからアルコールに依存する人も増えているそうです

やがて飲酒が習慣化し、色々な問題行動を起こすようになれば、その状態のつらさ周囲の人わかってもらえなくなります。

依存症というと特別な人がなるものと思われているかもしれませんが、飲酒が習慣化すれば誰でも依存症になる可能性があります。

お酒に限らず依存症は自業自得だというのはその通りです

世間の人からは無反省見えるかもしれませんが、私の知っている限り大半の依存症の人には断酒・やめたい気持ちがあります

  • 誤解のないよう断っておきますが、依存症の人かばう気持ちありません
  • なぜなら依存症の回復には「本人もうダメだ」と思う事が必要だからです

しかし、を与えたからと言って依存症回復するわけではありません

私が気になるのは、依存症の人が周囲との埋められない溝が、あるいはそういった中で感じる孤立や孤独の心理が余計に飲酒や使用を加速させる点です。

断酒にとって孤独・寂しさの感情を埋めることは大切です。

私は依存症の人が孤独から脱出するには「共感」が最も大切だと思います

それも同じ悩みを持つ依存症者との共感で

無理に仲良くなる必要はないと思います。体験・悩みをシェアするのです。

同じ苦しさを持った人がいて、苦しんでいる姿、回復に向かっている姿を見ることが「独りじゃない」という気持ちにさせ、自分の抱えている病気と向き合うことを可能にしてくれます

悩みのシェア自分と向き合う機会が回復に必要です。

今回の記事は私の体験を中心にまとめました。

私は寂しい酒に逃げた

最初は酒が飲めるということが長所だった

私はアルコール依存症です。アルコール依存症になる人は「お酒を飲める人」です

コップ1杯のビールしか飲めない人がアルコール依存症になるのは、考えにくいことですね

私が最初にお酒を飲むようになったのは、進学と同時に一人暮らしを始めたときです。

やがてサラリーマンになり飲み会なども増えました。

若い頃は「酒に強い人」ということで周囲から気に入られることも多くあります。

  • 私も内向的恥ずかしがりやなので「酔うと意外に面白い」などと言われてかなり調子に乗って飲みました
  • 私と同じように自分の弱気を酒で誤魔化す快感からどんどん深みにハマる人は多いようです

こちらの記事では緊張してお酒にはまった体験を書きました。

酒を飲むようになったきっかけは緊張しすぎるから
アルコール依存症の人が飲むようになったきっかけとして「緊張しすぎて上手くしゃべれない」「いつも緊張して疲れる」という話をよく聞きます。対策として、イメージトレーニング・瞑想・深呼吸について触れました。王道はやはり慣れだと思います。そして不安の克服です

やがて寂しさが飲み方を酷くする

私はそういったことの繰り返しの中、やがて人間関係のトラブルを起こすようになります

会社でも上司などから度重なる叱責を受けました。

大切な取引先との酒の席で失敗をして謝罪に行く羽目になりました。

「酒を飲むなとは言わないが飲まれるな」と言われますが、いったんお酒を口にしたが最後、自分ではどうしようもないのです

  • トラブルを起こしたら仕事上マズイと思っても酒が飲めるという誘惑に勝てなくなりました。
  • ストレスから一人で寂しい気持ちになり酒が止まらなくなっていきます

最初はストレス解消のために飲んでいたのに、やがてアルコールが私にとって底なし沼のストレスを与えるようになりました

酒を飲むと寂しくなる

家族はそんな状態を心配したり腹を立てたりするので家の中も常にピリピリして私にはほっとする場所がなくなりました

私の妻も最初は仕事のストレスがあるから嫌なことがあったから飲んでいるんだろうと思っていたそうです。

しかし二日酔いの後の迎え酒やいつの間にか休日昼間から飲む姿を見ておかしいのではないかと思ったと言ってました。

つきあいを理由に毎晩飲んでくるので「たまには断ったら」と言いましたが「仕事にはつきあいがある」と言い返します

  • 酒代のことで文句を言われたり度数の強い酒はダメだと言われると隠し飲みをするようになりました。
  • 最初は家族と買い物に出かけたとき「ちょっとトイレ」などと言い、隠し持っていた酒を飲んだり、その場で酒を買って飲んだりしました

そのうち、夫は家の中のありとあらゆる場所にお酒を隠し始めました。必死になって探したわ

  • 本棚の裏やトイレのタンク・屋根裏・車のトランクの中。
  • 最後のころになると、どこに隠しても見つかるので、家の前の排水溝の中に隠したり、近所の資材置き場に隠しました

私は外でも孤独になりました。そして家の中でも一人孤立して余計に酒を飲みました

今思えば酒で寂しさを誤魔化そうとしていたのが、酒を飲むことによってもっと孤立して、さらに飲むという悪循環の中にいました

孤独の克服は断酒の重要ポイント

一人酒はアルコール依存症のサイン

私だけでなく、私がアルコールの自助グループやアルコール専門病院の仲間の話を聞くと、程度の差はありますが、寂しいお酒を飲む悪循環の人はたくさんいました

こちらは「一人酒」は危険という記事です

断酒後も残る「どうせ俺なんか」

アルコール依存症の人にとって「孤独」は断酒継続にとっても大切なキーワードです。

寂しさから酒を飲んでいたので、断酒後は孤独対策が重要です

もともと人間関係で苦手意識のある人がとても多いので孤独・孤立が続くと断酒していてもスリップしやすくなります。

「どうせ俺なんか」と自分をかわいそうに思う自己憐憫の感情にとりつかれるようになります

自分を可哀そうと思う自己憐憫はアルコール依存症をさらに悪化させます。

自己憐憫は依存症と家族の生きづらさの原因
自己憐憫(自分を可哀想だと思う、自分を憐れだと思う)は依存症回復の重要ワードです。自己憐憫がどういうもので、どこが依存症に悪さをするのか。謙虚さと卑屈の違いを書きました。知ることと、認めることで生きづらさを解消するヒントになります。

依存症の苦しさは同じ病気の人でないとわからない

私はお酒をコントロールできない悩みは同じアルコール依存症の人でないとわからないと思います

  • 世間の大部分の人々はまだ依存症という病気を理解していません。
  • そして病院やその他の支援団体に繋がっている人は少数です。

幸いつながったとしてもそこからがまだ大変です。

医師やカウンセラーが熱心に話を聞いてくれても本当の意味で孤独から離れられません

確かに専門家に話を聞いてもらえば、心の負担が軽くなります。

そして良くなっていく場合もあるのですが、リスクがあります。

  • リスクとは依存の対象が先生に変わりやすいということです
  • これを「転移」と言います。医療現場ではよくあることです。

寂しさから酒に逃げていた孤独脱出のカギは共感

  • 先ほども書きましたが、依存症の人は人間関係が苦手な人が多いので、自助グループなどでももめごとはたえません。
  • 繰り返しになりますが、もともと人との関わり方がまずくて孤独になり、その寂しさから酒を飲んでいた場合が多いのです。

ただ私は別に無理して仲良くなる必要はないのではないかと思っています

仲が良ければ、それに越したことはありません。

それよりも私たちが独りぼっちの孤立を和らげるのに大切なのは同じ悩み・苦しさ・体験共感することだと思います。

私は友人たちと一緒にいても浮いてしまうと感じることが多く、余計に孤独を感じ疲れることがよくありました

同じ病気・悩み持つ他人との共感を通して自分知ることができます。

依存症の人は原因自分にあることを認めたがりません。

人のせいにして酒を飲む依存症の人でも仲間姿を通して共感をし自分見つめ生き方修正することができるようになります。

同じ悩み・病気を持つ仲間という触媒を通して自分の中にある回復力が目覚めてきます。

私はその力が依存症の人の未来を明るくすると考えています


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