アル中病棟 吾妻ひでお 失踪日記2

この記事は「アル中病棟吾妻ひでお 失踪日記2」です

吾妻ひでおさんは2019年(令和元年)10月13日亡くなられました。

「失踪日記2 アル中病棟」は2013/10/6に発売されたコミックスです

6年以上経つのですでに多くの方に読まれています。

  • アルコール依存症って?
  • アルコール専門病院は実際のどんな感じ?
  • 断酒の基本的な考え方を知りたい。

という方にお勧めのマンガです。

舞台は作品中では明かされていませんが、東京都三鷹市にある長谷川病院です

長谷川病院は都の指定を受けた精神科医の研修機関です。

入院生活が今も作品にも描かれている通りならば、私はアルコールに依存していて本気で断酒したい人にはいい病院だと思います。

失踪日記」についてはこちらでまとめました。

著者プロフィールなども書いてあります。

失踪日記 吾妻ひでお
「失踪日記 吾妻ひでお」は2度の失踪やアルコール依存症の体験を描いたノンフィクションです。2005年3月にイースト・プレスから出版されました。吾妻ひでおさん自身の実体験を基にしたノンフィクション作品ということになっています。

作品の概要

アル中病棟(失踪日記2)は漫画家吾妻ひでおさんの実体験をノンフィクション風にしたマンガです

吾妻ひでおさんは私が少年の頃『週刊少年チャンピオン』で『ふたりと5人』という作品を連載し有名な漫画家でした。

私は手塚治虫さんの『ブラック・ジャック』が目当てで「チャンピオン」を読んでいました。

「チャンピオン」の中で「ふたりと5人」を知りました

やがて名前を目にすることもなくなり、すっかり忘れていたのですが、その間自殺未遂事件失踪事件を起こしホームレス生活をしていたそうです。

そのあたりは「失踪日記」という作品で描かれています。

「失踪日記」はホームレス生活中心ですが、時々飲むシーンがあります

鬼ころしをポケットに入れて飲むシーンなどはその後依存症にはまっていく飲みざまです。

「失踪日記」の最期にアルコール専門病院での生活が描かれていますが、その内容を詳細に描いたのが本作品「アル中病棟(失踪日記2)」です

今回紹介する「アル中病棟(失踪日記2)」は失踪日記の続編です。

アル中病棟(失踪日記2)

アル中病棟(失踪日記2) BIBIより引用

呑んでないけど相変わらずアル中の吾妻です」から作品は始まります。

この言葉は吾妻さんがアルコール依存症に病識が深いことを意味しています。

長く断酒を続けられたのは、こういった何気ない言葉の端に表れていると思います

アル中病棟(失踪日記2)

アル中病棟(失踪日記2) BIBIより引用

入院生活の詳細が描かれていきますが、とても正確です。

普通入院中はまだ頭がぼんやりしています

特に閉鎖病棟で治療を受けている間は離脱症状で苦しんでいます。

その状態を自分の記憶を頼りに描いたのだとしたら驚くべき記憶力です。

病棟内での生活なら取材すれば描けますが、初めて入院した時にどういったことを頭の中で妄想していたかなどは、自分の記憶を頼りにしなければ無理です。

しかし、壊れかけた頭で自分を客観視して、正確に思い出せる能力は職業で身についたものなのか天性のものなのかはわかりませんが、驚くべきことだと思います

アル中病棟(失踪日記2)

アル中病棟(失踪日記2) BIBIより引用

私が特にすごいなと思ったのが作品の中で歯の疾患を取り上げていることです

アルコール依存症の人は肝臓・糖尿・脳委縮・膵臓・消化器など医師から注意を受けた個所については気に留めます。

アル中病棟(失踪日記2)

アル中病棟(失踪日記2) BIBIより引用

しかし、アルコール専門病院の医師は歯については特に注意をしません。

ですから断酒をしても依存症の人は歯が悪いままです。

断酒後に真剣に社会復帰を考え、健康に気遣うならぼろぼろの口の中をケアする必要があります。

私は歯のエピソードを読んで吾妻さんが真剣に漫画家としてやり直そうとしていたんだと思いました

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著者紹介

吾妻 ひでおさんは1950年(昭和25年)2月6日生まれです。北海道出身。

『週刊少年チャンピオン』で『ふたりと5人』(1972年 – 1976年)を連載しました。

1978年に発表した『不条理日記』は翌1979年に日本SF大会で星雲賞(コミック部門)を受賞しています。

1985年ごろから低迷期に入り、やがて89年11月からの失踪を中心とした生活が「失踪日記」で描かれています。

2017年3月食道癌が判明。

同年5月 手術を終え退院し、自宅療養をします。

2019年10月13日 69歳という若さで都内の病院で死去

作品の感想

私自身の感想はアルコール依存症ならよく見る風景という印象です。

「アルコール専門病院あるある」「アル中あるある」満載の作品ですね

マンガですが文字とページ数が多いです。

ただし吾妻ひでおさんがギャグマンガに創りあげてくださっているので読みやすい作品になっています

作品内には入院中自助グループ(吉祥寺のAA)へ向かう途中焼き鳥(いせや)の臭いで飲みたくなるエピソードなどもあり、近辺の方はさらに楽しめるかもしれません。

「アル中病棟(失踪日記2)」は、アルコール依存症の基本テキストにしてもいいくらいのクオリティが高さがあると思います

アルコール依存症の方で断酒継続が困難な方やまだ否認の強い状態にある方にとっては手引書になると思います。

心療内科などで「アルコール依存症」と診断されて「アルコール専門病院ってどんなところだろう?」と思っている人にもお勧めです

入院生活が明るく描かれているのも「アルコール専門病院は怖いんじゃないか?」という方の不安を和らげてくれると思います。

吾妻さんには「あるこーる白書」という西原理恵子さんとの共著があります。

「あるこーる白書」では、ずっと漫画を描いていて抜け道が欲しかったのが、酒量が増えていったきっかけだと言ってます

この本をお勧めしたい人

  • アルコール依存症の人。依存症かも?という方から断酒歴の長い方まで楽しめます。
  • 実録風のマンガが好きな人。
  • 吾妻ひでおさんの他の作品が好きな人。
  • 仕事中毒の人。頑張りすぎて、程度な息抜きができないとこんな未来もあり得ます。

この本が向かない人

  • アルコール依存症なんて許せないと考える人。
  • 今風のマンガでないと読めない人。
  • ホームレス生活(前作)には興味があるが、アルコール依存症に興味がない人。
  • どん底からのサクセスストーリーを期待している人。
  • 336ページも読みたくない人。

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こちらは吾妻ひでおさんを特集した番組です。本人は出演していません。

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