アルコール依存症の家族が知っておきたい家族平衡|家族の病気

この記事は「アルコール依存症の家族が知っておきたい家族平衡|家族の病気」です

結論は「焦らず回復を目指しましょう」です

家族平衡という言葉を聞かれたことはありますか?

耳慣れないと思いますしグーグル先生もあまりご存じないようです。

これは今道裕之先生というアルコール依存症の治療が始まったばかりのころに活躍された医師の著書で使われている言葉です。

アダルトチルドレン・機能不全家族ということを考える時にぜひ理解しておきたい基本的な言葉なので紹介させて頂こうと思います。

難しいのは嫌だなぁ

とってもシンプルな考えですよ

もちろん今道先生の著作の紹介ではありません。

言葉は使わせていただきましたが、先生の考えとは若干異なりますのでご了承ください。

今道先生のファンの方はごめんなさい。紹介記事ではありません。Vegaの考えです

家族平衡という考え方から依存症その家族がどうやって回復を目指すと幸せな家族関係になれるのかということについての私の考えです。

簡単な考え方ですが、これを知ると共依存イネイブリング、なぜ依存症の家庭では家族が病気になるのか

アダルトチルドレンが生まれるのかがよく理解できるようになると思います。

共依存・イネイブリングもまず知識があるのが第一歩ですが腑に落ちるところまで理解し・実践するのは難しいと思います。

実際の生活の中で少しずつ身につくと思うのですが、この考えを知ることで少しでも依存症の家族の心が和めばいいなと思います。

   

家族平衡とは?

「平衡」は、一般的には「つり合いがとれいて、安定している状態」のことで「平衡感覚」などと使われたりします。

心の病気では、特に依存症の家族を理解するには「家族平衡」という考え方は大切だと思います。

まず家族はそれぞれ役割を持ちます

父の役割、母の役割、子供の役割

お互いに影響を与えながら外部の環境変化に対応していきます。

家族は一定の家庭内ルールの下で役割を微調整しながら安定状態を確保しようとします。

家族それぞれが無意識のうちに役割を演じているんだね

家族のルールを安定・維持しようとするのね

アルコール依存症の家族は巻き込まれる

アルコール依存症は人間関係の病気と言われることがあります。

そして人間関係の基本は家族です。

家庭にアルコール依存症者がいると家庭内の人間関係も病んできます

アルコール依存症が家族ぐるみの病気と言われるゆえんです。

そして、本人が断酒を継続して回復していくと家族関係も変化していきます。

アルコール依存症が一人いると家族が大きく影響を受けるんだね

病気による役割の変化

家族の中の誰かが慢性の病気になるとバランスをとることが難しくなり混乱状態が続きます。

例えば父にアルコール問題がある場合、まず父と母の間に問題が起こります。

その場合子供は混乱を少しでも和らげよう無意識のうちに様々な役割を演じます。

  • 「父や母の責任を肩代わりをする」
  • 「父や母や兄弟のなだめ役をする」
  • おどけて家族の雰囲気を和ませようとする」
  • 「自分が問題を起こす」
  • 「家庭内での自分の存在を消そうとする」

などで、少しでも家族全体が安定した状態になるよう子供なりの行動をします。

子供は役割を演じて家族の安定を守ろうとします

あるいは、夫が飲酒以外何もしなくなると妻が家計のために働きに出て一家を支えます。

妻が父の役割子供が母の役割夫は幼い子供の役割になってしまいます。

臨機応変に役割分担が変わるのね

無意識のうちにそうなるのかぁ

アルコールで問題のある家族では具体的にこんな感じ

  • 「お願いだからもう飲まないで」と懇願する。
  • 「どうしてお酒ばかり飲むの!! 家族のことも考えてよ」と責める。
  • お酒を隠したり、お金を取り上げたりする。
  • 二日酔いで仕事を休むときは、奥さんが代わりに電話をする。
  • 外で飲んで迷惑をかけたり、近所で揉め事を起こしたら、奥さんが平謝りになる。
  • 家の中を飲み散らかし、食べ散らかし、汚しっぱなしにした後も、奥さんが一人で片付ける。
  • カードやバー・スナックなどの請求に追われる。

実はこういった行為が依存症の夫が立ち直る機会を奪っています

ですから見方を変えれば夫の飲酒を助けています

酒を飲みたい(酒に依存)

やめさせようとするが、その行為が夫の飲酒を自覚のないまま助けている(夫の依存を助ける関係で依存)

小言を言われても自分は必要とされているんだと潜在意識下で思う(表面意識ではうるさいと思っている)

この二人の関係を共依存といい、無意識の行為なので気づかなければずっと続きます

妻は被害者だが共犯者

妻は被害者です。しかし結果的に共犯者になっています

  • 妻が頑張っても夫は酒をやめません。
  • お酒の問題はどんどん進行し家族は生き地獄になります。
  • その時家族の心の中には色々な感情が渦巻いてきます。

この感情が家族の心を蝕みます

  1. 「自分勝手。自分のことしか考えていない。どうして私ばかりこんな目に!」という怒りの感情
  2. 「会社の人、親・兄弟・親戚、友人、近所の人達はどう思うだろう? 家に人を呼ぶことだって出来ない」という恥ずかしさの感情
  3. 「旦那の親や親戚に言っても、悪いのは私。どうしていいかわからないのに、誰にも言えない」という孤独の感情
  4. 「私がもっといい妻だったら、こんなことにはならなかったかも。私は妻として失格なの?」という自責の感情
  5. 「きっと死ぬまで私は不幸なんだ!」という絶望の感情

家族平衡の難しさ|飲酒問題が解決しても家族問題は解決しない

断酒したらすべて解決じゃないの?

これらの「平衡状態」は「地獄の関係」なのですが、多くの場合夫の飲酒問題が解決すれば自然に問題が解決すると思われています。

ところが実際には断酒が始まってしばらくすると「地獄の関係」役割分担・力関係が混乱して家族が危険な状態に陥ってしまいます。

今までの記事でも書きましたがアルコール依存症は3か月の入院生活で様々に変化をします

飲んでいた時は、後始末は全部奥さんの役割で本人は散らかし、汚す役割でした。

退院後も飲んだくれのままなら家族関係は大して変わりません。

残念ですが問題が起こるのは依存症者が退院後酒を飲まなかった場合です。

酒を飲まなかったらパラダイスではないか」と思われますが、家族の反応はそんなに単純ではありません

断酒してるからもういいだろう?

飲まなければ夫はいい人なのよ

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家族間の主導権争い

アルコールのない生活で徐々に本来の気質が現れてきます。

例えばある人は断酒を始めると元々の几帳面な性格が出てきて、口うるさく潔癖すぎるのでは?と思われるほど指摘するようになることがあります。

また子供の問題家計のやりくりなど、本当は夫に相談したかったのに飲んだくれているために妻は全て一人で処理していました。

断酒し始めると夫は何かにつけて主導権を握ろうとして妻と衝突しはじめます。

  • 依存症者は断酒を始めると、今まで失ったものを取り返しにかかります。
  • 家庭での自分の地位も取り返そうとします。

ここに家族との主導権争いが出ます。

そしてお互い相手のことを否定ばかりするようになります

これはアルコール依存症者と、その家族が克服しなければいけない最初のハードルです。

飲んでいた方が楽だった?

ここでつまずいて奥さん(夫)がになるケースはとても多いのです。

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衝突しない場合でも妻は少しは余裕を取り戻すのですが、心の中で夫の急激な変化にうまく対応できません。

やがて疲れ果て「飲んでたほうが楽だった」ということもあります。

私も初めて聞いた時は驚いたのですが、退院後夫の断酒が順調に進むと半年から一年で妻がになったり離婚をしたりするのはよくあります。

酒をやめたから元気になっただけだよ

家族の心の傷を理解できるまでにはかなり時間がかかります

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アダルトチルドレン・機能不全家族

子供の場合、さらに深刻です。

妻であってもほとんどの場合「飲んでいるのは本人であって私は被害者だ。問題は本人にあるのに、なぜ私が病んでいるというのか?」と思います。

私は被害者だけど病人じゃないよ

子供ならばなおさらです。

「地獄の関係」で「不自然な役割」を演じることを余儀なくされ「アンバランスな自我」が形成されます

不自然な役割」による「アンバランスな自我」を自分の本来の姿だと錯覚します。

上手く社会に適応できない苦しみが原因がわからないまま自分を責め続けることになります。

アダルトチルドレン」と呼ばれることもあります。

子供のころのトラウマ解消されないままに大人として苦しみながら生きていきます。

「地獄の関係」を作っている家庭を「機能不全家族」と言うこともあります。

アルコール専門病院では、傷んだ体の治療をしてくれます。

しかし歪んだ自己認識を変えるのは本人が行う必要があります。

特に人間関係の稚拙さは本人が意識をし時間をかけて修正をしなければ生きづらさの解消まではそう簡単ではありません

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子供は自分の家庭の異常さに気づきにくいんだよね

自分がすべて悪いと考えがちなのよね

最後に|回復はそれぞれの人が自分でする

私は自分が父の飲酒からの暴力・暴言・威圧に苦しんだアダルトチルドレンです。

同時に家族を苦しめたアルコホリックです。

私や私の家族。そして同じ依存症の仲間の姿から言えることは回復は自分自身の力によってしかできないということです。

私も多くの方から気づきを得てサポートをしていただきました。

本当にありがたいと思います。

ただ残念ですが病院で薬を処方してもらって問題が消え去るということはありません。

優秀なカウンセラーはいます。

しかし優秀なカウンセラーの能力は患者の自己治癒力を引き出すことです。

色々な有形無形の援助を受けつつ最後は自分の中にある光を灯し、輝かせることによって必ず回復はできると思っています。

私自身心がけていることは焦らないことです。

読者の方の気づきのきっかけになればうれしく思います。


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