
この記事は「飲酒で記憶がない(ブラックアウト)のは危険」です

結論は「ブラックアウトを経験している人は断酒する方が良い」です
お酒に酔って記憶をなくしたことがありますか?
恐らく思い出したくないという方が多いのではないでしょうか?
私もそうでした。酒にまつわる失敗は数え切れません。

そして「飲み過ぎたのが悪かった。程々にしよう」と固く誓うのですが、ダメでした
最初のうちは迷惑をかけた人に謝ると許してもらえたこともありました。
ところが度々繰り返すのでそのうち相手にしてもらえなくなりました。
家族はなおさらでした。
アルコールには依存性があります。やめなければと思う頃にはやめられなくなるのがアルコールです。

私は多くの依存症の人を見てきましたが、記憶をなくすというのは間違いなく危険なシグナルです
アルコール依存症の人・酒乱タイプの人はほぼ全員記憶をなくす症状を経験しています。
それくらいブラックアウトとアルコールへの依存は密接な関係にあります
毎日は飲まないけど、飲酒すれば二日酔いになり記憶をなくすことが多い人は依存症の素質があります
アルコール依存症がどれほど恐ろしいかは当ブログの他の記事を読んでいただければご理解いただけると思います。
- なぜ記憶をなくすのか?
- ブラックアウトの種類と遺伝との関係についてまとめました。
お酒を飲んで記憶がない不安と後悔
何が起こったのだろうという不安

翌朝目が覚めると昨夜の記憶がない。私はいつも不安に襲われました
- 「飲み会のお金払ったのかな?」
- 「カバンの中を見ると○○がない」
- 「財布の中が何でこんなに少ないのか」
- 「財布がない。慌ててカードを止めた」
- 「財布を見ると、しっかりタクシーの領収書が入っている。でも思い出せない」
- 「自分が変な顔をしている写真がスマホに入っていた」
- 「確かに自宅にたどり着いてはいるけど、どうやって帰ったか思い出せない」
- 「トイレでそのまま流さずに寝てしまいました。目が覚めたのは次の店。誰が連れてきてくれたの?」
- 「翌朝、体のあちこちに青あざができていたこと。ぶつけた記憶なし」
- 「財布の中に立ち寄った記憶がないコンビニのレシートがあった。購入した食料品は枕元に置いていた」
- 「ファミレスで朝ごはん食べてた時、どうして今ここにいるのかわからなかった」
後悔
私は朝目が覚めると、いつも二日酔いで頭が朦朧としていました。

やがて意識は徐々に正気を取り戻し始めます

そして絶望感と後悔で苦しみます
「酔ってつい気持ちが大きくなってしまい日ごろでは考えられない大胆な行動をやらかした」としょっちゅう後悔していました。
- どうして記憶が飛ぶほど飲んでしまったんだ。
- 人間関係が壊れてしまう。
- もう穴があったら入りたい。
- 昨日に戻って飲み会キャンセルしたい。
もう一つの不安・ひょっとしてアルコール依存症では
ブラックアウトとは?

飲酒中の出来事を覚えていない、思い出せないことを「ブラックアウト(一時的記憶喪失)」と言います
ブラックアウトとアルコール依存症は関係がある?

私が入院したアルコール専門病院の医師はブラックアウトとアルコール依存症は密接に関係していると言っていました
- 患者が「アルコール依存症」であるかどうかを判断する基準はいくつかあります。
- 依存症であるかどうかの基準の大きな材料として「ブラックアウト」の経験・時期・程度・頻度などがあるそうです
私も多くのアルコール依存症者と接してきてブラックアウトの経験のない人を知りません。

「ブラックアウトの経験がある人は、アルコール依存症の素質がある」と考えても差し支えないように思います
自分が依存症かどうかをチェックする簡単な方法はいくつかあります。
例えば1か月でも半年でも1年でもお酒をやめてみることです。
すんなりやめられたらOKですが、やめられなかったら危険です。
特にやめられない事に関して「言い訳」が出たり「開き直り」が出たら相当危険です。
やめられない⇒言い訳、開き直りは依存症という病気特有の症状です。
アルコール依存症かどうかの詳しい判断はこちら

こちらの記事では「ブラックアウト」をアルコール依存症との境界線に位置つけています
2種類のブラックアウト

ブラックアウトは大きく二つに分かれます
部分的ブラックアウト
一般的で多くの人が体験しているのが部分的ブラックアウトです。

記憶の断片と断片をつなぐ部分が一部欠けているパターンです
- たとえば、何杯か飲んだ、どんなつまみを食べた、どんな話をしたということは覚えている。
- しかし自分はいくら代金を払ったのか、誰が払って誰が払っていないかを思い出せない。
- また自分の記憶と一緒に飲みに行った人の記憶が食い違う。
こういったことはお酒を飲んでいなくても起こりますが、飲んでいるとより頻繁に出くわす経験です。

思い出せるところと思い出せないところがあるんだね
完全なブラックアウト
もう一つは完全なブラックアウトです。

数時間の出来事をそっくり忘れてしまっている深刻な記憶喪失です
こうなると情報がそもそも脳に記録されていないので、当然思い出すことはできません。

一軒目は覚えてるんだけどなぁ

深夜にタクシーで帰ってきたのよ
研究によると、特に若者の間では部分的ブラックアウトは非常によくあることと言われています。
米ブラウン大学のケイト・キャリー教授は「飲酒する若い成人の3割から5割が、アルコール関連のブラックアウトを何かしら経験している」と述べています
アルコールの血中濃度が急速に上がるとブラックアウトに!

ブラックアウトはアルコールの血中濃度(BAC)の急速な上昇と関係しています
- 血中アルコール濃度が0.15%~0.2%程度を超えると起こりやすくなるそうです。
- 血中アルコール濃度が0.15%は、ビールなら中びん4~6本、日本酒なら4~6合程度飲んだ状態です。
- しかし気をつけなければいけないのは、空腹時に酒を飲んだり、度数の強い酒を一気に飲むとブラックアウトを起こしやすくなるということです。

空腹はダメだね

度数の強いお酒もね

一気飲みも危ないね
遺伝が関係する?

体重が軽い人や女性はブラックアウトを起こしやすいという研究結果が出ています
- 理由は体重が軽い人や女性の方が体内の水分が少ないからです。
- 血液量が少ないと、当然血中アルコール濃度は速く上昇します。

体重が軽い人は気をつけたいですね

そして血中アルコール濃度の上がりやすさは、遺伝子も関係します
アルコール依存症と遺伝について厚生労働省が発表している内容です
ブラックアウトの対策は血中濃度を急激に上げない

ブラックアウトを防ぐには血中のアルコール濃度が急激に上がらないような飲み方をすることです
「食べながら飲む」 「強い酒は薄めて飲む」「時間をかけて飲む」のが必要だと言えます。
王道は「適量を守る」出来なければ「酒をやめる」だと思います。
ブラックアウトを頻繁に起こす人は専門医療機関の受診を!!

私の経験から言えば「ブラックアウト」を経験している人はお酒をやめる方が良いと思います
特に度々記憶をなくしている人は、専門的な医療機関で治療を受けることをお勧めします。
参考記事
