
この記事は「嫉妬と独占欲と依存症の関係」です

結論は「自分にとっての着実な一歩が必要」です
アルコール依存症本人が異性への嫉妬・独占欲が強いということを自覚している人は少ないと思います。
ところが奥さん(夫)の反応は違います。

うちの夫が飲んでいたころは嫉妬地獄だったという奥さんは結構多いです
男性であれ女性であれ、異性に過剰な嫉妬を抱くのは少し恥ずかしいですよね?
恋愛中の彼氏と彼女の関係ならば、相手を束縛したい気持ち・行動は当然の心理です。
家族も他人も全く同じなら家庭は崩壊してしまいます。
しかし過ぎたるは及ばざるがごとしです。
自由を奪われて嬉しい人はいません。
愛情と独占欲は同じ感情の裏と表です。
嫉妬・独占欲の克服は難しいのですが嫉妬は狐色に程よく妬くのがいいという言葉があります。
相手には自分が必要だというのは本当なのか? 実は思い込みに過ぎないのではないのか?
「自分がなんとかしてあげなければ」という感情は、相手をコントロールしたいという気持ちと裏腹な面があります。
それが過干渉を招きがちです。
自己研鑽、自分磨きをすることで嫉妬心を克服できればいいなと思い、今回の記事を書きました。
アルコール依存症の嫉妬妄想
アルコール依存症の嫉妬と独占欲はすさまじい

アルコール依存症の体験談で、本人はほとんど語らないけれど、妻ばかりが明かす夫の行動に「嫉妬妄想」があります

この場合の嫉妬は独占欲です
- 「美容院に行っていたら、夫から数十回も着信があった」
- 「洋裁が趣味なので、手芸店で生地選びに夢中になって帰ってきたら、男とホテルに行ってただろうと言われた」
- 「私(妻)の幼友達に片っ端から電話して、元カレや昔の男友達との関係を根掘り葉掘り聞いて回った」
- 「あまりに嫉妬が激しいので、家を出ると言ったら『お前を殺して俺も死ぬ』と凄まれた」

「いい加減にして!!」と怒っても、執拗に問い詰めにきて、最後は怒鳴りだすことが多いようです
- 一人で出掛けられない。
- 露出の多い服は禁止。
- 念入りに化粧ができない。
- スマホはチェックされる。

平均すると酒好きからアルコール依存症になるまでは、20年くらいかかります

ですから自助グループも高齢者が多いので、今は電話の使用が中心です
しかし、最近増えている体験談は
- 「ラインの返事が遅いと、すぐビデオ通話を使って『今どこで何をしているんだ!!』とかけてきた」
- 「Twitter、Instagramを、とことんチェックされて、ありもしない疑いをかけられる」
- 「男性のライブ配信動画をみて、笑ったりしてると『浮気女!!』と責められた」
という体験談が聞かれます。

アルコール専門病院に入院中に受けた講義の中に、嫉妬妄想も含まれていました

アルコール依存症者は嫉妬妄・独占欲が強いです
私も例外ではなく「自分は嫉妬したり、独占欲が強いとは思わないけど…」と、家内に聞くと「お風呂もトイレもくっついてきた。自分が起きている間は『先に寝てはダメ!!』と言われて参った」と言ってました。

恥ずかしながら全く思い出せません
嫉妬は程よく狐色に焼くのがいい

男女の嫉妬は言葉を変えれば相手への独占欲だと思います
私の好きな経営者で、松下幸之助という方がいます。

彼は「嫉妬心は狐色に程よく妬かなければならない」という言葉を残しています
- 「嫉妬心は人間として生きている限り、取り除くことはできない」
- 「無茶苦茶に嫉妬心を表すのでなく、程よく狐色に焼くと、かえって人間の情は高まり、人間生活は非常に和らいでくる」
そもそも独占欲がゼロならば、家庭を維持するのは難しいと思います。
問題は「程よい狐色」はどのあたりだろうか?ということではないでしょうか
男性特有の嫉妬と独占欲の感情?
依存症ではないのですが、嫉妬と独占欲が原因で奥さんに逃げられた友人がいます。
- 高校の時の同級生ですが、当時から「ガマガエル」というあだ名がついていました。
- 外見がその通りということでしたが、まじめで成績も優秀でした。
- やがて開業医になり、美しい奥さんを貰ったのですが、離婚しました。
- 「金目当てだろう? 俺が医者だから結婚したのだろう?」と彼が言い過ぎてしまったために、奥さんが逃げてしまったそうです。

彼の言葉からは、今でも自分の外見にこだわるところがあるので、それも原因の一つかもしれません
ただほかにも理由はあるように思うのです。

彼は結婚当初美しい奥さんと結婚したことをよく自慢していました
色々なところへ、奥さんを連れて出かけたそうです。
我が家へも奥さんとツーショットの年賀状がずっと送られていました
独占欲の背後にあるトロフィーワイフ
「トロフィーワイフ」という言葉があります。
社会的に成功を収めた男性の妻が、誰もが憧れる女性だった場合に使われる言葉ですが、彼にもそういう部分があるのかもしれません

トロフィーワイフは、男性が同性のライバルに負けたくないという気持ちから来ている行為だといわれています
自分の妻や恋人がライバルのパートナーよりも魅力的であれば「俺はライバルよりも成功している」と思います
- 女性を飾りのように考えています。
- 言葉は悪いですが、車や腕時計と大差はありません。
- アメリカなどでは、社会的ステイタスが上がると、奥さんを変える人が結構います。
年下の美人の若い女性を連れ歩くのは、野心家の男性にとって当然なのでしょうか?

失礼ね!

女性を勲章のように思う心理です。野心家の男性には多いみたいですね。

私は物じゃないわ!!
もちろん出世していく中で、夫婦がかみ合わなくなっていくという事情もあるとは思います。
- 夫が急激に成功して、価値観や人間関係が変化していく。
- 一方、下積み時代を共にしてきた妻は、昔と変わらない世界観のまま生活をしている。
売れないミュージシャンが、急に成功するときなどなら日本でもよくある話かもしれません。
ただ順調に成功しているうちはいいのですが、本人が何かでつまずくと「自分が飾りにふさわしくなくないのでは?」という不安を感じるかもしれません。
あるいはパートナーがほかの男性と親しくすると「プライドを傷つけられた」と感じてしまう。
そして自分の名誉を守りたいという身勝手なプライドゆえにパートナーを独占しようと躍起になるのかもしれません。

異性への独占欲の背後に同性へのライバル心があるのがトロフィーワイフなのかもしれませんが、少々複雑ですね

どちらかと言えば動物的な欲望かもしれませんね
私の友人の場合も、仕事面などで迷いがあったのかどうかはわかりません。
いずれにしても劣等感というか、自信のない部分で、心の中に引っかかり続けているところが過ぎた独占欲やライバル心の原因かもしれないと思います
断酒で嫉妬妄想と過剰な独占欲は落ち着くのか
嫉妬妄想と独占欲は落ち着く?
アルコール依存症者の嫉妬妄想・独占欲は、断酒を続ければ一応落ち着くようです。

ただ本当に治まっているかどうかは、今一つわからないです
家族の方も飲酒していた時のように狂った状態ではないかもしれないけど、今も病的な嫉妬と独占欲に悩まされているかもしれません。
難しい共依存の克服
共依存の問題があります。

共依存は特定の人間関係に依存することです
夫婦でも親子でも協力しあい、助け合うことはとても大切ですが、知らないうちにその人間関係とは別の離れた相手の人格を不都合なものと見て、相手を自分の思うようにコントロールしたくなってきます。
ややこしいのは一方的に世話をしているつもりが、相手の世話をすることで、相手の可能性を奪っていることに私たちは簡単に気付けません。
大きく見れば共依存は社会でも起こっています。
収入の少ない人に国が常に補助金を出していれば、いつの間にか働かない人が増えてきます。
人間は病からも回復できる、今よりいい人生を生きていける、本当は強くなれる可能性があると自分を励ましていきたいものだと思います。
共依存についてはこちら

嫉妬と独占欲の克服は難しい
嫉妬と独占欲の克服は、本当に難しいと思います。
お酒を沢山飲んでいたから自分の行為は覚えていないというのは事実です。

しかし自分が誰かに、あるいは何かに嫉妬しているというのは以外と自覚できていないように思えるのです
アルコール依存症者が嫉妬の体験を語らないのは、半分は覚えていない。
あと半分は、相手から見たら過ぎた独占欲なのに、単なる愛情表現で当然のことだと思っている部分もあるのでは?と思います。

程よい狐色の嫉妬心を焼くには、自己研鑽、自分磨きをすることかなと考えています
自分を良く知り、地道な努力で自信をつけることが大事に思えます。
自分にとっての着実な一歩が必要なのかもしれません。

他人からの評価を基準に置き過ぎると「トロフィーワイフ」を求めるという落とし穴があります