アルコール依存症と遺伝

この記事は「アルコール依存症と遺伝」です

アルコールに依存すると治療は断酒になります。

断酒というのは一生飲酒できないということです。

これはギャンブルなど他の依存症でも同じです。

やめ続けるのは大変なので、もし生まれつき気を付けなければいけないタイプの人が分かっていれば、少しは状況が変わるかもしれません。

様々な調査でアルコール依存症の原因に遺伝が関係することは確かだという結果が出ています。

遺伝以外には、依存症の問題には家族にお酒が好きな人がいるという環境の問題。

あるいは機能不全家族に育つ・アダルトチルドレンの場合、親にアルコール問題があって、子供に薬物依存・他の精神障害・メンタル面での症状が出る場合もあります。

この記事では酵素の遺伝子マウス実験からわかった脳の反応などを書きました。

けれども決定的な決め手は見つかっていないのが確かなようです。

 アルコール依存症と遺伝

アルコール専門病院に入院する前にケースワーカー(ソーシャルワーカー)との面談がありました。

「親族の中で、アルコールを飲む人は誰と誰か?」と質問されました

この病気は、遺伝的な関係があるのだな?」と思った記憶があります。

私の問題飲酒者でした。

私の母型の祖父も、今ならアルコール依存症と診断されたはずです。

その後入院してから、レクチャーもありました。

アルコール依存症の原因に遺伝が関係することは医学的に見て確かだとされています

アルコール依存症の双子研究があります。

それによるとアルコール依存の一致率は二卵性より一卵性の方が高いそうです。

アルコール依存の発症に遺伝要因が占める割合は、およそ2分の1から3分の2と推定されています。

アルコール依存症はニコチンなど他の薬物依存・乱用と合併することが多いのですが共通の遺伝因子があることが報告されています。

厚生労働省の見解はこちら

アルコール依存症と遺伝
アルコール依存症の原因に遺伝が関係することは確かです。特にアルコールを分解する酵素の遺伝子による違いが依存症のなりやすさに強く影響することが知られています。さらに最近では環境による影響の受けやすさに遺伝が関係していることがわかっています。しかし具体的な遺伝子については十分にはわかっていません。

酵素を分解する遺伝子による違い

依存症に酵素の遺伝子が関係する

現在の研究によると、依存症のなりやすさは酵素の遺伝子が影響すると言われています

アルコールを分解する酵素です

この酵素の遺伝子の違いが、依存症に強く影響すると知られています。

ADH1B(アルコールをアセトアルデヒドに変える酵素)遺伝子とALDH2(アセトアルデヒドを酢酸に変える酵素)遺伝子に代表されます。

遺伝子についてはこちらです

酒乱になりやすい遺伝子があるらしい
酒乱には遺伝子━アルコール脱水素酵素(ADH)とアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)━が関わっているようです。アルコール脱水素酵素のADH1B*2を2つ持っている人は酒乱の傾向があるそうです。久里浜病院神経内科医長だった真先敏弘氏の著作をもとに記事を作成しました。

日本人はお酒に弱い

日本人などのモンゴロイド系の人々は、ヨーロッパ系やアフリカ系に比べてお酒に弱いと言われています

モンゴロイド系がお酒に弱い理由として、ALDH2(アセトアルデヒドを酢酸に変える酵素)の活性が生まれつき弱い欠けているという遺伝的な性質によるとされています。

両親ともにお酒に弱い人は「お酒に弱い体質」を受け継いでいます。

日本人は肝臓での「アセトアルデヒド」が活性しにくい、あるいは不活性というタイプの人が多く、外国の方と比べると悪酔いしやすい人が多いのだそうです。

肝臓の働きも遺伝性はあるでしょうし、それは「酒をたくさん飲める能力」と関係します。

アルコールを体内で分解する酵素を生来多く持っているか否かで、アルコールに強い体質か否かが決まります。この体質はアルコール依存症の遺伝に強く影響を受けます。

  • お酒に「強い」「弱い」といった体質は、「遺伝子分析」により正確に判定できます。
  • 誰でも簡単にできる「エタノール・パッチテスト」という方法もあります。

エタノール・パッチテストはこちらです

お酒の強さは人それぞれ|お酒とうまく付き合う|CSV活動|キリン
お酒に「強い」「弱い」は遺伝による生まれつきの体質によるものです。自分の体質を知り、周囲にも知ってもらい、体質に応じた飲み方を守っていくことが大切です。

アルコールに対する脳反応が違うというマウス実験の報告

アルコール依存症の遺伝に関しては親子で脳の働き・作用・反応が特徴的な型を示す」などと言われたりします。

気持ちよい酔いが味わえる(脳のアルコールに対する感受性が高い)。

この体質は遺伝するので、家系に「大酒飲み」と言われる人がいる場合は、飲酒の習慣をつけないことで依存症の予防ができます。

「アルコール依存症になるマウスは、過去にお酒を飲んでいないマウスでも『最初の一杯目』に対する脳反応が違うことが判明した」という研究報告があります。

マウスにアルコールを与えると、動物のさまざまな行動に関わる中脳水道周囲灰白質(PAG)へ前頭葉の前側から向かう回路の活性が起こりにくいマウスが存在しました。

このマウスに一度に大量のアルコールを与えると、アルコール依存症になったと報告しています。

詳しくはこちら

A cortical-brainstem circuit predicts and governs compulsive alcohol drinking
Most people are exposed to alcohol at some point in their lives, but only a small fraction will develop a compulsive drinking disorder. Siciliano et al. first e...
Scientists discover "just one drink" is more accurate than they thought
One binge drinking session may make all the difference.

依存症の原因は複雑

人間には社会性があります。

肉体的な遺伝以外に環境も原因となります。

人間の依存症の原因は複雑です

遺伝の研究は、私が初めて入院したころ(17年前)くらいで50%~60%と言われていたと思いますし、最近いろんなものを読んでもやはり半分くらいというのが多いように思います。

ただどの部分に争点を置くかによって3分の2くらいまで影響しているとみることもできるようです。

  • 今のところ遺伝子の研究などで関係はある。
  • けれども決定的な決め手は見つかっていないのが確かなようです。

今後も研究は進んでいくのだろうと思います。

アルコール依存症 遺伝
このページは「アルコール依存症の遺伝」です 遺伝 アルコール依存症と遺伝様々な調査でアルコール依存症の原因に遺伝が関係することは確かだという結果が出ています。酵素の遺伝子、マウス実験からわかった脳の反応などを書きました。けれど...


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