
この記事は「断酒後のうつは不完全な自分を受け入れると楽になる」です

結論は「無理を避け、時間をかけて不完全な自分を受け入れる」
元々うつがあったからアルコールに依存したのか、飲酒が過ぎてうつになったか、アルコール依存症の患者には両方のタイプがあります。
アルコール依存症者の自殺率は高く、断酒してもうつ病の治療を受ける人もたくさんいます。
- 「生きていても意味がない」
- 「些細なことでも涙が止まらない」
- 「いいことなんて何もない」
- 「私は嫌われている」
- 「ひどいことを言ってしまった。私は悪い人間だ」
眠れない・疲れる・食欲がない・心臓がバクバクして息苦しい、なぜか口が渇くなど。
そしてうつを克服するために「自分を好きになろう」「ポジティブが大切」「元気な音楽を聞こう」「のんびりしたらすぐに治るよ」などとアドバイスされますが、私はそうは言われても…でした。
掛け声だけで「無理をしない」と言われても焦ってしまった自分の過去
今回の記事では具体的に何を考えて少しずつ楽になってきたかという自分の体験を書きました。
自分を好きになるのは簡単ではなかったけど、不完全な自分を受け入れようと考え始めたあたりから気分がかなり楽になりました。
やがて「こうありたい」という自分の願望は、過去の満たされなかった心の傷から生まれていて、自分で勝手に作り上げた完璧願望に自分が縛られていたと気づくようになりました。
完璧を目指したり、細かいことにこだわり過ぎて自分の全体像を見失うと、「キャパオーバー」になりがちです。
うつは一人一人違うので必ずしもぴったりくるかどうかはわかりませんが、少しでもヒントになれば幸いです。
うつ病とアルコール依存症は深い関係にある
アルコール依存症のうつ病治療は断酒が前提
元々うつ傾向の強い人が、お酒を飲むと気分が良くなります。

私自身もうつ状態から飲酒にハマりました
私がお酒を毎日飲むようになったのは、気分が重く、何もしたくない時でした。
- そのうちアルコールがないと不安になりました。
- 飲むと楽になるけれど、酔いがさめると以前よりも落ち込んでいました
うつ病にも程度があるので、一人一人は事情が違うと思います

うつからアルコールか、アルコールからうつか

治療には断酒が前提です
みんなのメンタルヘルスでうつ病について詳しく説明されています
厚生労働省はアルコール依存症とうつ病の合併は頻度が高い、断酒が前提と書いています
うつ状態になると自分を責めがちになる
- 「こんな自分でごめんなさい」
- 「私みたいな人間は生きててもしょうがない」
- 「つらいことばかり。いいことなんか何もない」

うつ状態になると、自分には責任のないことも自分のせいだと思ってしまいます
- 些細な出来事でも自分と結びつけ、責任を重く感じます
- 取り越し苦労・自信をなくしたり、自分を無意味な存在だと思いがちです
うつ病の治療は医療機関の受診が大切
断酒後のうつは治る

自分がうつ状態かな?と思ったら病院での受診をお勧めします
うつの治療は休養、精神療法、薬物療法などいろいろなアプローチをして改善を目指しています
うつの治療は病院によって違いますが、基本的にはこんな感じです
断酒後のうつは離脱症状の可能性もある

特にアルコールで問題がある場合は、アルコール専門病院の受診をお勧めします

離脱した後のうつ状態などは、専門医のほうがキャリアがあります。薬の飲み合わせの問題もあります。こちらをどうぞ

断酒後のうつはどれくらいの期間続くのか

個人差が大きいのではっきりしたことは言えませんが、私が入院したアルコール専門病院では断酒を続けて数か月うつの治療も取り組むというのが一般的でした
断酒後のうつに自分で改善できること

病院での治療以外に自分でできるちょっとした工夫はあります。私の体験上よかったと思うことを書きます
うつの人は自分を嫌いにならない努力も必要

私の場合断酒のスタートに自助グループでお酒を飲んでいたころの過ちを語るのが回復への第一歩だったと思います
しかし最初のうちの私は過去の飲酒が関係する間違いや愚かさに気づき自分を責めました
- ある時「いつまでも自分を責めてばかりだと、せっかく棚卸し(反省)をしても台無しになるよ」と言ってくれる人がいました
- 「自分は間違えたと思ったら素直に認める。自分の弱さや醜さ・小さい姿を知ったら、自分を嫌いにならない努力も必要だ」と言ってくれました

AAの共同創始者であるビルさんも断酒後に鬱状態で苦しんでいたそうです
うつを改善するには不完全な自分を受け入れたい

自分を大切にしたいと思い、幸せになりたいなら、むやみに嫌いにならない方がいいと思うようになりました
- 自分は不完全で、好きなところも嫌いなところもあるけど、それも含めて自分なんだと受け入れる
- 自分自身を「嫌いだけど、まあいいか」と思えるようになると、他人に対しても「まあいいか」と思えることが増えてきました
不思議ですが、無理な八方美人や苦手な人に気を使いすぎる自分を認めると、少しずつ余裕が生まれてきます。
うつ状態の時は身体も心も無理を避けたい

私の経験ですが、職場や家庭での活動などを休むことに罪悪感を感じすぎるのは、うつ状態の人によく見られます
- しかし、どうしようもない時は休むことが大切だと強く思います
- 溺れたときでも力を抜ぬくとやがて浮かび上がってきます。じたばたすると余計に沈んでしまいます

私自身はじたばたしているつもりはなかったのですが、周囲から見たらバランスの悪い泳ぎ方をしていたようです
自然に浮かび上がってくる感覚は大切だなと思いました
- アルコール専門病院の入院は3か月あります
- 私は断酒のきっかけとなった3回目の入院の時は、退院後も再就職まで1年間を確保できました
- 入院か、それが無理でもできるだけ独りで何もしないで済む環境を作れると、長い目で見た場合時間の無駄ではないと思います
孤独を癒すためにやったことです。

断酒後に残るうつは時間がかかる

私の経験でも断酒後に残るうつ状態は時間がかかりました
うつ状態は波があるので、安定したと思っても何かをきっかけに元に戻りました
断酒後に焦って復職して失敗する仲間の姿を多く見てきました
何もしない時間が続くと、最初は色々なネガティブな感情がやってきました。
- 早く職場に戻らないと。
- 迷惑をかけた人に謝らなければ。
- 子供が泣いている。
「何もしない」「何も考えない」というのはやってみると大変でした
ただ変なフォームで泳いでも、やがて疲れ果て、また溺れます
ポジティブになったりネガティブになったりして、段々波が小さく乱れることが無くなればうつ状態は収まってきました
「楽しいこともあれば苦しいこともあるさ」「全ての人に好かれなくてもいいよ」「誰かを助けれない時もあるよ」
自分を励ましながら少しずつ前進している自分、出来なくても目指している自分をも受け入れて、小さいヒットを積み重ねていこうと考えています。

結論として無理を避け、時間をかけて不完全な自分を受け入れることが大切ではないかというのが、私が自分の体験から思うことです
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