自己憐憫が依存症と家族の生きづらさの最大の原因

この記事は「自己憐憫が依存症と家族の生きづらさの最大の原因」です

結論は認め、受け入れ、謙虚になって取り除きたいと願うところから始めたい

自己憐憫という言葉を聞いたことはありますか?

自分を可哀想だと思う、自分を憐れだと思う」と言うことです。

実はこの言葉は依存症回復の重要ワードなんです。

ある意味で言えば「怒りのコントロール」より重要かもしれません。

  • では自己憐憫のどこが問題なの?
  • 具体的に自己憐憫ってどういうこと?

私自身「まず断酒だろ?」「酒を飲まなければいいじゃん!!」って思っていました。

いつも思うのですが、アルコール専門病院に3か月くらい入院したら「飲酒欲求は消えた」と錯覚します

これが錯覚だというのは、多くの方が経験していると思います。

スリップの原因は、断酒後の生きづらさにあります。

しかし「生きづらさの正体って何だろう?」なかなか具体的につかみづらいですよね。

生きてることが苦しいんだなぁ

いつも憂鬱だし、不安なのね

まず自己憐憫がどういうもので、どこが依存症に悪さをするのか

謙虚さと卑屈の違いを書きました。

克服は簡単ではありません

知ることと、認めることで生きづらさを解消するヒントになるかもしれません

自己憐憫は依存症・鬱につながりやすい

自分を責める癖

私は「アルコール依存症です」と初めて医師から告げられたとき「俺はアル中ではない」と否認をしました

しかしわずかにほっとした記憶はあります。自分の異常な飲み方に病名がついたからです

例え病気としてであっても認められたような気がした」のだと思います。

やがて断酒を決意して、曲がりなりにも自分の愚かさを認め始めると「自分を責める」段階へと移りました。

自助グループでは素晴らしい体験談を語る人が大勢います

一方私は「自分を責めるだけの体験談」から、なかなか離れられませんでした

自分を責める」ことがすっかりになり、抜け出せない人には、やはりいくつかの共通した特徴があるように思います。

自分を責めるっていいことじゃないの?

自分を責めるだけでは解決しませんよ

反省をしようと思っても自分を責めてしまうことについてはこちら

スリップを繰り返さないためには原因自分論が早道
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自己憐憫と悲劇のヒーロー・ヒロイン

私もそうでしたが自分を責める人は「悲劇のヒーロー・ヒロイン」を知らないうちに演じていると思います

悲劇のヒーロー・ヒロインタイプは「自分は可哀想なアル中だ」という感情から離れられません

自己憐憫の時は自分が可哀想という感情に支配されています

自分が酒を飲んでおかしくなったことを運命で決まっていたかのように美化するナルシストと言ってもいいかもしれません。

運命だから自分は幸せになってはいけないし十字架を背負った「選ばれた人」のように自己認識しがちです。

自分の問題を呪われた宿命だからということにして自分を変えていこうとしません

ここに知らないうちに運命(環境)のせいにしてしまう流れを心の中に作ってしまいます

自己憐憫は何かのせいにして自分を変えられなくなるところが悪いんだね

悲劇のヒーロー・ヒロイン型の人は、第三者から見ると不幸というぬるま湯から出たくない人に見えます。

  • 誰かが「こういうふうにしたら、もっとよくなるんじゃないかな?」とアドバイスをします。
  • すると、「こんなに落ち込んでるのに、そんなことを言うんですか? ひどいですね」と弱い人間であることをアピールしてきます。

私もそうでしたが「自分は純粋な人間だから傷ついてしまう。他の人のようにずる賢く生きられない」と考えていました

自分の弱さ、抱えている悩みの多さ、不幸の深刻さ、被害者であることを武器気をひこうとしてきます

常に心配されたがるという意味で気をひこうとし、妄想から出た悪意のない嘘をついたりします。

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自己憐憫を共感され過ぎると破滅的になる

ところがこのタイプは、基本的に他人に無関心です

自分が心配されるかどうかが悩みの中心で、本質的には他人の不幸には無関心なのです。

困ったことにこのタイプの人は、「自分は悲劇のヒーロー・ヒロインだという自覚がありません

私自身はそうでしたし、今もその傾向が根強くあります

自分をかわいそうだという感情に支配されて他人のことまで考える余裕がなくなるのね

この知らないうちに自分を不幸にしてしまう部分が第三者から見ると「ぬるま湯から出たくない」と映ります。

そして周囲の人の同情や共感の度が過ぎると、悲劇度がエスカレートしてしまいます。

適度に相手にされなかったり、無視されれば小さな問題ですみますが…

無意識のうちに、ますます悲劇を演じようとします

もともと称賛が欲しくてたまらないのでもっと惨めになって注目を浴びようとします

同情する人が増えすぎる悲劇のドラマをどんどん加速させて、自傷行為まですることもあります。

作家ミュージシャンにも多く見られます。

自己憐憫型の芸術家は人気が出ると破滅的になります

家族のイネイブリングにも似たところがあります

同情に甘えているうちはダメだったなぁ

簡単に許せないことはある

毒親、毒父と言っても色々です。

     
かなり昔になりますが、内田春菊さんという漫画家が小説を書いたことがありました。

養父による性的虐待から様々な職業を経て、漫画家になった自伝的色彩の強い作品で映画にもなりました。

養父から性的虐待を受けて「他人を許すのは尊いことですね。はい、わかりました」と言える人は、ほとんどいないでしょう

内田春菊さんは、かなり淡々と自分の過去を書いています。

前節で自己憐憫・悲劇のヒーロー・ヒロインタイプと書きました。

しかし、養父から性的虐待という心の傷を負った人を、その言葉で呼ぶことはとても酷です

同じように殺人事件の被害者家族「許し」「感謝」を押し売りするのは、行き過ぎだと思います。

そういう意味で前節の内容だけでは、言葉が足りていないと思います。

心に深い傷を負っていることは認めてあげようね

自分の心の傷も同じだよ

自己憐憫が鬱・アルコール依存症を加速させる

アルコール依存症の人は緩慢な自殺行為をしている

私は自分自身と仲間の体験談からアルコール依存症者には自分を責める傾向があり、悲劇のヒーローになりたがる感情を心の底に持つ人がとても多いと思うようになりました

アルコール依存症になるまでは平均して20年かかります

それほど長期間大酒を飲み続けるということは、緩慢な自殺行為です。

自分を大切にしたいと願っている人なら、どこかでブレーキがかかるものね

心の底で強く自分を責め、他人を責めるエネルギーが依存症になるまで酒を飲ませ続けたのです

謙虚と卑屈の違い

自己憐憫に陥っている人が自分の体験談を語るときの口癖があります。

それは「なぜ自分ばかり!!

なぜ自分ばかり」という言葉を使い、自分が「できない」「失敗する」ことを人や環境のせいにします。

一方本当に謙虚な人どんな環境でも、自分のできることを着実に進めていきます

また少しでも他人や環境に感謝しようとします。

私は心の中に「なぜ自分ばかり」が浮かぶなら「謙虚」ではなく「卑屈」なのかもしれないと自己点検しています

卑屈になると関心は自分だけ。謙虚な人は感謝したり他人に思いやりが出るよ

自己憐憫から逃れるには

どうしようもない時期はある

私は回復を願うので、自分を責めるのではなく、できるだけ正確に自分の内面をとらえたいと思っています

もう二度と飲酒地獄に堕ちたくないからです

人間には誰でも「どうしようもない」と感じる時期はあります

私も「何もできない苦しさ」を経験してきました

病院のベッドで手足を縛られ、天井を見つめるだけで、何もできなかったこともありました

人それぞれに苦しい時期はあります。それは避けられないし、仕方がないと思います

しかしそういう最悪の時期を超えて、せっかく断酒がうまく始められたなら、一日一日積み重ねていける方が良いと思います

じたばたすると余計に溺れるよ。じっとして浮かび上がるのを待とうね

自己憐憫は毒

自己憐憫という感情は毒です

依存症にとって「自己憐憫」と「イライラ」は回復のキーポイントだと思います

この自己憐憫という感情も、どこからともなくやってきます

私たちは酒に対して無力です。

同様に「イライラ」「自己憐憫」という感情に対しても無力だと思います。

まずその存在を認め、受け入れ、謙虚になって取り除きたいと願うところから始めたいと思います


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